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「うわー……これは…」
呪術師として日の浅い乙骨でも感じ取れる程の嫌な気配。一瞬車から降りるのを戸惑った
至る所に呪霊の影が見え、嫌でも視線を感じてしまう。ここに通っている児童は無事なんだろうか……イマドキの子って元気なんだな、と零してしまった
………学校側には設備点検と偽り校舎への立ち入りを禁じたはず。誰も居ないはずだが…何故か校庭には1人の少女が見える
「あれ?子ども?」
『…!』
それが、あの瀬川であった。教室内に入らなければ大丈夫だろうと。点検の人が来る前に兎小屋の掃除を終わらせようと。その考えが甘かった
あまりの呪力に気を取られ、息を呑んだ瀬川だったが……すぐに顔の表情が明るくなる
『…こんにちは!お兄さん達!帝丹小学校に何か用?』
モデルは友人の吉田歩美。彼女のように愛想良く笑ってみせた。小学一年生の姿なだけあって、この顔をすれば大抵の事は誤魔化せるらしい。先日も遇々居合わせた強盗犯にうっかり裏回し蹴りで気絶させた時も、この屈託のない笑顔で乗り切ったそうだ
「え、えーっと…僕達は設備点検で来てて」
『あぁ!先生から聞いてるよ!中には誰も居ないみたいだし、入っていいんじゃないかな?』
白を基調とした制服に見覚えのあるボタン。恐らく呪術高専で、しかも東京校の生徒。在籍していた時代は紺色の制服だったけど、リニューアルしたのかな…くらいにしか気に留めなかった
その背後から現れた伊地知に、瀬川は思わず声を上げた。彼も中々の苦労人だった記憶がある。呪術師と行動しているという事は…補助監督になったのか
「僕は乙骨。乙骨憂太です。君は?」
『…瀬川です。私の事は瀬川って呼んで!』
「分かった!瀬川さん、僕は今からお仕事があるから……君は少し離れた場所にいて」
「では、私とお話でもしましょうか」
子どもがいるなど予想外であったが…瀬川と目線が合うように屈んだり言葉が優しかったりと、子どもの扱いに慣れているように感じた。乙骨という少年も根は優しいのだろう
現に彼の近くにも、幼い少女の気配がするのだから
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ふ。 - 4ページの堅苦しい家庭のところのやつドブカスじゃあねぇか笑 (4月21日 0時) (レス) @page4 id: c9d0d6f436 (このIDを非表示/違反報告)
彩豊(プロフ) - こんにちは!控えめに言って凄くおもしろかったです(*≧∀≦*)やっぱり帝丹小学校の転校生はただものじゃないですね( ˊ̱˂˃ˋ̱ )頑張ってください!応援しています☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆ (2022年10月15日 14時) (レス) @page44 id: 72022c3b56 (このIDを非表示/違反報告)
リンリ - 面白かったです‼️ 続きが気になる〜😆応援シテマスッ😆 (2022年10月10日 15時) (レス) @page28 id: 97f09e59d6 (このIDを非表示/違反報告)
チョコ&ピーナッツ(プロフ) - �猫さん» ありがとうございます!お話の書き方は特に拘りは無くて、感覚で書いてるものです…!あと曖昧な表現は辞書を引くことですかね🤔本当にそのくらいしか…!でもありがとうございます!嬉しいです!!! (2022年6月1日 23時) (レス) id: 827ada299b (このIDを非表示/違反報告)
猫(プロフ) - 神!作品が!神!どうやったらそんなに面白く、引き込まれるようなお話の書き方ができるんですか!?尊敬しかないです! (2022年5月30日 20時) (レス) id: b68ee5d058 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:チョコ&ピーナッツ | 作成日時:2022年5月20日 18時