みえないモノをみる。 【文スト】

time is＿＿弐 ページ48

ともかく、このままなら確実に探偵社と組合が激突。まあ此処は探偵社が勝つ、と予想して。


予想できないのはマフィアの次の手だ。

如何来る？ 直接は戦わず更に探偵社と組合が戦うよう仕向けるか？ いや、それにしては情報が少なすぎる。なら幹部級を直接投入して、戦闘員が投入されて弱っている探偵社にぶつけた方がいいい。


確実に、誰と戦っても勝てる戦力。マフィアはそれで狙ってくる。



『くそっ……！』



だがそんな戦力居たか？ 慥かマフィアの皆は強いが組合も同等、もしくはそれ以上の力を持っている。

ならば──




『……死んでも構わない戦力(・・・・・・・・・・)？』




────Qだ！

その考えに至った瞬間、私の顔からはさっと血の気が失せた。

私の憶測でしかない、だけど可能性は十分にある！ 彼がこの状況に入れられたらどれだけの犠牲が出るか！


悪態を心の中で盛大に吐き、電話をかけた。



『太宰ィ！ 何処かでQが投入される可能性が非常に高い！ もしも出会ったら即無力化しろ！』

〈今そこへ向かってる処だよ莫迦！ っ──止めるんだ、敦君！ 良く見ろ！〉



電話口から聞こえてきた声に、私は顔を歪めた。遅かった。

暫く問答があり、太宰から一言を告げられ、電話を切られた。



〈逃げられたよ〉



私は髪をかき上げて、溜め息を吐いた。

面倒だ。面倒過ぎる。


彼は子供だ、だから如何にも読めない。私の一番の天敵と云っていいのが子供だ。まあ太宰にとっての犬だな。

閑話休題。


とにかく次の、組合の行動が気になる。

マフィアが此処までやったんなら、組合も動く。


──待てよ。そもそも、組合の行動は何処からだった？


七十億の賞金の、人虎──あっくん。


次、組合は直接狙いに来る。

私は探偵社に注意を促そうとして、止めた。これはあっくんが、自力で解決させなければならない。彼の物語に、赤の他人がヒーローとしてしゃしゃり出てきてはならないのだ。

見させてもらうよ、君の奮闘記。

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