敵と己＿＿参 ページ43
「では、オノ殿は誰の味方でもないと？」
『んー、まあ……云っちゃえばそうかな。心的には探偵社側に傾いてるけど』
ほぉ、とポオ君は声を上げた。その手は休むことなく文字を綴っている。
私達はポオ君の部屋に居た。カール君も一緒だが、私とは反対側に居る。ウッ、心が。
『──そんなに乱歩を倒したいの？』
「……」
『諦めた方がいいと思うよ？ 彼奴は本物の天才。私達凡人には及びもつかないような場所に立っている』
「…………そんなの、判っているのである」
ポオ君は顔を俯かせた。ずっと動いていた手が止まり、彼の膝の上におかれる。
ぎゅっと己の服を握りしめたポオ君は、震える声で胸中を吐き出した。
「我輩なんかでは、乱歩君には勝てない。昔から、あの場所に行った時から、痛感しているのである。だけど……、けれど、それでも、」
勝ちたいのである。
そう、力強い声で云った彼は、もう一度紙面を見つめた。
『……』
それを後ろで見た私は、ぎゅっとポオ君に抱き着いた。
「!? !? な、何……何するのである!?」
『何って判らないのか、抱き着いてるんだよ君にぃ！ その心意気気に入ったポオ君！ 頑張って乱歩を倒せ、応援してるぞ!!』
「矛盾してるぞオノ殿！ は、離して欲しいのである！」
真っ赤になって喚くポオ君に、私の悪戯心が擽られる。何だこの可愛い子。
『何だ何だ、恥ずかしいのか〜？ そんなんじゃ乱歩を倒せないぞ、軟弱め！』
「オノ殿は仮にも、……一応は、女子なのである、少しは自重すべきである！」
『オイ待て、今何で仮にもの後に一応ってつけた』
「……」
そっと目を逸らすポオ君。カール君も同じように目を逸らした。ペットは飼い主に似るってかちくしょうめ！
乙女心やら自尊心やらが飛んで行った気がしたので、私はポオ君から離れた。
……ポオ君は一体何を書いてるんだろうか。
「
『ん〜……音楽は聴くんだけどね。��事実は小説よりも奇なり��。この言葉がごもっともだと思うから、そういう類は読まないのさ』
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白夜の世界 - 桜咲月菜は殺戮の天使にハマった()さん» ……また名前変わってますね！（もう驚かない）まあね、さつてんめっちゃ面白いですもんね。あと文アルはやってません、というか殆どのゲーム（パソコンやスマホ）を親が禁止してるので……。つうか凄い！めっちゃ凄い！えっ何すか、凄い頭いいじゃないですか……！ (2019年8月10日 17時) (
レス) id: 68e70d2720 (このIDを非表示/違反報告)
桜咲月菜は殺戮の天使にハマった() - 白秋先生は北原一門で、室生先生と萩原先生と一緒、そして明星でもありますね！明星では高村先生、石川先生と一緒です！……あ、長ったらしくてすみません、つい…… (2019年8月10日 11時) (レス) id: 1276fff981 (このIDを非表示/違反報告)
桜咲月菜は殺戮の天使にハマった() - そこから色々と史実を調べたりしてるんですけど、特に白樺派は他のお二人の先生も素晴らしい作品を残してますよね！！志賀先生、武者先生、有島先生の三人！川端先生は新感覚派で、横光先生と一緒です！三木先生は前に音楽の授業ででました！ (2019年8月10日 11時) (レス) id: 1276fff981 (このIDを非表示/違反報告)
桜咲月菜は殺戮の天使にハマった() - すっごい……えもしかして文アルやってたりします？？？因みに私はやってます！そして大体の先生方の作品を目に通した事はあります！！特に白秋先生の作品なんかは本当に素晴らしいですよね！！ (2019年8月10日 11時) (レス) id: 1276fff981 (このIDを非表示/違反報告)
桜咲月菜は太宰さんを最推してゆくと誓った - は、白秋先生！？えっ、私白秋先生大好きなんですよ！！てか、白樺派の志賀直哉先生と、童謡？のあかとんぼ作った三木露風先生ですよね！？てか川端先生もですか康成っていってましたものね！！！ (2019年8月10日 11時) (レス) id: 1276fff981 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白夜の世界
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nisui03101/
作成日時：2019年7月29日 16時
