卒業〜JS〜 ページ23
ミンギュを連れて外に出た
さっきから様子がおかしいんだ。
「僕に言いたいことがあるなら言ってみてよ」
無言のミンギュ
でも何か言いたい様子は伝わって来る。
「ほら、Aが心配すると思うよ？僕らがいないって」
ミンギュはAが大好きだから
心配させたくないはず
「ん〜と・・・ジスヒョンは…やっぱいいや」
「なんだよ〜？そこまで言ったなら言っちゃえよ！」
「もしかして…ジスヒョンがシュア君なの？」
なんだ、そんなことか！
「誰に聞いたの？」
「昔さ…姉弟になったばかりの頃、Aがよく呼んでた」
え？そうなの！
「サマーキャンプに行ってシュアくんと会うのが楽しみだって…」
「ふーん」
そうか、覚えててくれたんだ。
楽しみにしてくれてた…。
「でもさ、俺は会わせたくなくて…家族旅行に行きたいって言ったんだ」
夏休みが近づいて僕と会えることを楽しそうに話すのが
悔しかったから、家族旅行に行きたいと駄々をこねたそうだ。
新しい弟の言うことを優先したんだな…Aらしいよ。
その次の年も、その次も。
「絶対にキャンプに行かせない！って思ってた・・・
『シュア君』の話も絶対しちゃダメって俺が言ったんだ」
忘れる努力をしたんだろうな
新しい家族とうまくやっていくために。
今は思い出せないだけなんだ、きっと…。
「でも、シュア君がジスヒョンなら…もう邪魔する意味ないなって思うよ」
「どうして？」
「ジスヒョンの本気、俺には分かるし…たぶんAも…」
突然黙り込んだミンギュ
「どうした？ミンギュ」
ミンギュは姿勢を正して僕の方を向くと緊張した面持ちで
「俺のヌナをよろしくお願いします！！！」
そう言うと、大きな体を折り曲げて深くお辞儀をした。
「え？ちょっと、待ってミンギュ…どうしたの急に？」
「ジスヒョンとヌナは運命の相手でしょ
ヌナもジスヒョンのこと好きだと思うし。
だから…幸せにしてやってください。
これで俺もやっとヌナから卒業できる！」
夜空を見上げて言うミンギュの目が光っている
本当にAのこと好きだったんだな。
「わかってる。ちゃんと幸せにするから…」
後はAが僕を思い出してくれればいいんだけどな。
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作者名：miel | 作成日時：2018年5月14日 20時
