ma cherie 5 (ページ16)

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考えるのは… ページ16

ジスさん、仕事うまくいったかな？

…大丈夫だよね。

詳しくはわからないけど、会社に着くころには

いい感じで話がまとまっていたみたいだし。

秘書さんと相談して隣の会議室に食べ物や飲み物を準備して

部屋に戻ってきたけど

本を読んでみても、テレビを見ていても

なぜかジスさんのことを考えてしまう。

―――ピーンポーン

あ、ジスさんかな？

ドアを開けると…

知らない人が立っていた。

「こんばんは、Aさんですよね？」

『え・・・っと、どなた？』

「ホン・ジスさんと交際しているのは事実？嘘ですよね？」

記者？でも、今まで見たことない人

ドアを閉めようとしたら足を挟んできて閉められない

『お答えすることはありません、帰って… 』

「いいでしょ、ちゃんと答えてくださいよ」

『だから・・・』

どうしよう

「誰？ここに、Aに何の用？」

ジスさん！

男の背後に立つジスさん

「偽装カップルのはずだ！」

男が振り向くと同時に

ジスさんがさっと動いて私と男の間に入った。

「僕がこうしてここに来てるのに？」

「わかってるんだ、この女は浮気してるし…」

「どんな女の子にも男友達くらいいるでしょう？

１００日のお祝いをしに来たのに、邪魔だから帰ってもらえない？」

ジスさんがワインと花束を男の顔の前に掲げて微笑む。

「嘘は絶対にばれますよ、社長？」

「取材なら広報を通して。こういうやり方じゃぁなにも答えないよ？」

「ちゃんと証拠を持って伺います」

「いつでもどうぞ」

男は立ち去った。

ジスさんはドアを閉めて私の方を向く

「だから、ここは危ないって言ったでしょ？」

『ごめんなさい』

「ありがとうって言って？」

『ありがとう』

「間に合ってよかった…怖かったよね」

ふわっと抱きしめられて

さっきまでの緊張が消えていく

体を離したジスさんが

「ホントは僕も怖かったんだけどね」

ってふにゃっと笑う。

そうだよね、相手が何してくるかわからないし

『ありがとうございます。来てくれて…』

今度は私がジスさんを抱きしめた。

『充電・・・してください』