おばあ様の恋 ページ1
この家に来たばかりはまだ寒かったのに
あっという間に季節が流れて半袖の季節になった。
今年の夏は例年以上の暑さになるらしい。
ソクミン君とは…もう会っていない
騒ぎに巻き込むのも申し訳ないし。
夏が近づいてきたってことは
おじいちゃんの命日が近づいたってことね
お参りに行かなきゃ。
法事はしないけど、お参りくらいは…と
おじいちゃんの納骨堂へ行くと
おばあ様!どうして?
「あ、しまったわ!見つかっちゃったわ!!」
おばあ様は以前修理に出したあのブローチをつけていた。
これまで毎年ありがたいことに
おじいちゃんの命日は豪華なお花が飾ってあった
あれは、おばあ様だったってこと?
『どうして?おばあ様が?』
―――――――
大学時代、おばあ様は大恋愛をした
相手は同級生だった私のおじいちゃん。
財閥の一人娘だったおばあ様と
普通の家のおじいちゃんとの
お付き合いが認められる時代ではなく
周囲からの大反対にあって、結局結ばれなかったそう。
必ず幸せになってほしいと言って
おじいちゃんから最後に贈られたのが
あのブローチ。
お互いに家庭を持って再会した時に
子ども同士か孫同士でもいいから
自分たちの代わりに
縁があればいいねって話したんだって。
残念ながら子ども同士は縁がなかったみたいで
うちの父親ならサイテーだから縁がなくてよかったと思う(笑)
―――――――
「結局結ばれなかったけれど、大好きで忘れられない人なの」
おばあ様の顔が乙女になってる。
「Aちゃんって、目元がそっくりよね。笑い方も…」
おじいちゃんと私って似ているらしい。
ジョンハンの笑い方とおばあ様が似ているみたいな感じかな?
「もし私の我儘に付き合わせていて、Aちゃんが苦しいなら
いつでも言ってね。あなたにも幸せになってほしいの。大好きよ…」
おばあ様は私を抱きしめて泣いた。
こんなに愛されて、おじいちゃん幸せ者だね
そして、私も…こんなに思ってもらえるなんて。
本当のおばあちゃんと思って
おばあ様を大切にしてあげたいなと思った。
血はつながっていないけれど、家族のような気持ちになってるもの
おばあ様と私をおじいちゃんが出会わせてくれたのかな?
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作者名:miel | 作成日時:2018年5月14日 20時