九尾狐がブラック本丸に行きました (ページ17)

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16話過去編刀剣男士出て来ないページ17

森の奥に小さな村があった
そこの住人は皆、白雪狐と言う妖もので
普段から人の姿に化けて暮らしていた
皆の髪が白く綺麗なのが特徴だ

「できた！できたよ！お母さん！」
腰の辺りまで伸びた長い髪の女の子が少し不格好な折り鶴を母親に見せた
「わぁ！雪は折り紙が上手だね！」
女の子は誇らしそうに笑った
「白雪にぃにも見せてくる！」
「うん、でも工房の中は危ないから気おつけてね」
「わかった！」
少女は自宅の傍にある工房へ足を運んだ
ここでは刀や水晶細工を作っており
人間に売って村の稼ぎにしていた
「白雪にぃ！見てみて！」
少女は休憩を取っていた自身の兄に話かける
ピョンピョンと跳ねた白い髪に白い肌
黄色と赤のオッドアイ、非力そうな細い体付き
まるで人形のようだ
「雪、危ないから来ちゃダメだろ、」
白雪は雪を優しく撫でる
「ごめんなさい、でも折り紙上手に出来たんだよ！」
雪は折り鶴を白雪に見せる
すると白雪は嬉しそうに笑いながら
「上手に折れたね！今度お兄ちゃんにも教えてくれるかい？」
「うん！」
元気良く頷く雪
それを見て微笑む白雪
「そうだ、雪に見せたいものがあるんだ、」
「見せたいもの？」
白雪が取り出したのは一振の脇差
「これは僕が打った刀だよ、父さんが打った刀の写しだけどね、月音守白雪(きつねまもりはくせつ)それがこの刀の名前だよ」
鞘から抜かれた美しい刀身は淡く光を照り返し
雪を映し出した
「きれい…」
「この刀はね、雪が大きくなったらあげようと思うんだ」
「本当！」
「うん、僕の初めて打った刀…雪の事をきっと護ってくれるから」
そう言って白雪は雪の頭を撫でたのだった

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「？」
少し疲れてお昼寝をしていたら周りが騒がしい
「お母さん…どうしたの…？」
眠い目を擦りながら玄関先へ出向く
そこには

ツンと鼻を突く鉄のような匂い……

赤い…赤い血を流しながら倒れているおとうさん……

こっちに来てはダメだと叫ぶ…おかあさん …

赤に塗れた刀を持つ黒い髪の人間…

何が起こっているの……

頭の整理が追いつがずその場に立ち尽くしていると
グイッと誰かに手を引かれた

「雪！とにかく隠れるぞ！」
「白雪にぃ…」