93.ハンター試験の清算 ページ48
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「そっか……スィスがキルアの家族……本当の名前はA……」
俯いたまま静かに事実をかみしめるゴン君を、穏やかではない気持ちのまま見つめること少し。突然彼はばっと顔を上げた。
彼の瞳は……輝いて、いる？
「――すごい！ すごいよ!! まさかキルアときみが姉弟なんて、思いもしなかった。おおー、言われてみれば髪の色とか目の感じとか似てる……」
唖然とするあまり開いた口が塞がらない状態の私を、ゴン君は観察するようにじっと見ている。
「ギタラクル……イルミ？ だっけ、あいつが言ってたことの意味がやっと分かったよ。事情を知ってるなら、キルアの行く場所もわかるってことだね」
後ろの二人はやはり私と同じように驚いて、しかし顔を見合わせると笑みを浮かべた。
「キルアの姉、か。これから彼を連れ戻すにあたって頼りになるな」
「お、そうだな！ よろしく頼むぜ」
明るい言葉に引き結んでいた口元が自然とゆるくなる。が、反面脳内を疑問が埋め尽くす。
「ねぇ、これからはAって呼んでいい？」
「え、あ、うん、もちろん……クラピカさんとレオリオさんも良ければそう呼んでください」
呆けたままそう答えると、皆は嬉しそうに笑った。
……こんなモヤモヤした気持ちのまま、家に帰れる自信がない。
それじゃあキルアのところへ行こうと、とんとん拍子に話が進むのを、私はあわてて遮った。
「ご、ゴン君!! クラピカさん、レオリオさんも……嘘をついていたこと、キルのために何もできなかったこと、怒らないんですか？」
いっそ怒って、責めてほしいと。
彼らがそういう人ではないことはわかっているはずなのに、そういう自分のためだけの願望を隠すことができない。
「……Aは約束を守りたかったんでしょ？」
「う……うん」
「事情もよく知らないのに、責めるなんてできないよ。
……確かにキルアが本当のこと知ったらショックかもしれない、でもそうだとしてもオレ達にしてくれたようにちゃんと謝ればいい。
それに、いつまでも後ろを向いてても意味ないじゃん。今はとにかくキルアを助けたいんだ」
はっきりとした口調で紡がれる言葉は、ゆっくりと消化され心の内の暗雲を晴らしていく。
……あぁ、彼には驚かされてばっかりだ。
「――わかった。ありがとう、ゴン君」
今私がすべきことは葛藤するでも後悔するでもなく、キルのために動くこと。
彼の才能を羨望した、嫉妬までした、でも私の大切な弟であり、友達でもあるんだ。
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くぅつか(プロフ) - キラさん» コメントありがとうございます！ 更新本当に遅くなりますがそれでも良ければお付き合いください！ (2019年1月3日 18時) (
レス) id: d6e249ddc4 (このIDを非表示/違反報告)
キラ(プロフ) - とっても面白いです！！とても続きが気になります！更新されるのを楽しみに待ってます！頑張ってください！！ (2019年1月3日 15時) (レス) id: 4b08e8e764 (このIDを非表示/違反報告)
くぅつか(プロフ) - C＠音さん» コメントありがとうございます！ そう言っていただけて嬉しいです、更新できる限り頑張ります！ (2018年8月31日 22時) (レス) id: d6e249ddc4 (このIDを非表示/違反報告)
C＠音 - はじめまして！一気読みしましたが続きがきになって仕方ありません！更新頑張ってください！ (2018年8月29日 14時) (レス) id: ce7a2e00eb (このIDを非表示/違反報告)
くぅつか(プロフ) - 月翔×ミオさん» コメントありがとうございます、励みになります！ これからも頑張ります〜 (2018年8月23日 22時) (レス) id: d6e249ddc4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くぅつか | 作成日時：2017年10月5日 18時
