92.ハンター試験の告白 ページ47
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「……お察しの通り、私が今まで使っていた名前は偽名です」
外へと続く廊下を歩きながら、守り通すはずだった秘密を話し出す。
「私は以前からキルア君のことを知っていました。彼が生まれた時のことさえ憶えています」
視線は、ずっと前に向いている。
……皆の表情を見るのが、少し怖いから。
「キルア君とは、事情あって八年前に別れました。彼は私のことを何となくとしか憶えてないはずです。だから私は、変装も何もせず偽名を使っただけで正体を隠し通すことができた」
何故自身のことを隠さなければいけなかったのか。
三人の頭の中にそういう疑問が浮かんできて、質問が飛んできてもおかしくない状況だけれど皆黙ってついてきている。私としてはありがたい。
「キルア君に、皆さんに本当のことを言わなかったのはその八年前にある約束をしたからです。その相手というのが、キルア君の兄のギタラクル――イルミさん」
私が口を閉じている間は、四つの足音がやけに響いて聞こえる。
それ以外の音が、全くしないからだろうか。
「本当は、ずっと話すつもりはありませんでした。キルア君ともずっと、ただの友達でいるつもりだった。
……でも、よく考えたらここで話すきっかけが出来て良かったのかもしれません。友達相手に秘密を隠し通すのは辛いと思うから」
出口が見えてきた。
立ち止まり、三人の方へ向き直る。
怖かろうが不安だろうが仕方ない。
これから言うことは、ちゃんと向き合って言わないと意味のないことだから。
「今まで嘘をついていてごめんなさい。
私の名前はA=ゾルディックといいます。キルア君の姉であり、イルミさんの妹です」
「…………」
三人からの反応は、ない。
まだ頭の中で情報を整理している途中といった様子だ。
「……キルアのお姉ちゃん……？ ほ、ホントに？」
しばらく待っていると、一番にゴン君が口を開いた。
彼の問いに黙って頷く。
両手をぐっと握って俯いている彼を見ていると、ふとイル兄に本気で怒っていた時の姿が脳裏に浮かんできた。
普段の天然な彼からは想像もつかない怒りの声音。大きな感情、強い意志。
思い返せば私はずっと嘘をついてきた上に、家族なのにキルとイル兄の仲を仲裁できることができなかったのだ。
私だって、あの時と同じくらいの怒りを向けられてもおかしくない……
想像して内心冷や汗をかいてしまう。
しかしゴン君の反応は、私が想像していたのとは全く別のものだった。
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くぅつか(プロフ) - キラさん» コメントありがとうございます！ 更新本当に遅くなりますがそれでも良ければお付き合いください！ (2019年1月3日 18時) (
レス) id: d6e249ddc4 (このIDを非表示/違反報告)
キラ(プロフ) - とっても面白いです！！とても続きが気になります！更新されるのを楽しみに待ってます！頑張ってください！！ (2019年1月3日 15時) (レス) id: 4b08e8e764 (このIDを非表示/違反報告)
くぅつか(プロフ) - C＠音さん» コメントありがとうございます！ そう言っていただけて嬉しいです、更新できる限り頑張ります！ (2018年8月31日 22時) (レス) id: d6e249ddc4 (このIDを非表示/違反報告)
C＠音 - はじめまして！一気読みしましたが続きがきになって仕方ありません！更新頑張ってください！ (2018年8月29日 14時) (レス) id: ce7a2e00eb (このIDを非表示/違反報告)
くぅつか(プロフ) - 月翔×ミオさん» コメントありがとうございます、励みになります！ これからも頑張ります〜 (2018年8月23日 22時) (レス) id: d6e249ddc4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くぅつか | 作成日時：2017年10月5日 18時
