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5話 ページ6

「えぇと、包丁。手入れ部屋の状況は今すぐに出来そうなくらいには大丈夫なのかい?」

「ん…前任は珍しい刀剣…ほら、一兄とかの怪我には敏感ですぐに治してたから…ちょっと埃かぶってるだけですぐに使えると思うぞー」

おや、こりゃ珍らしい。
今までの審神者はこぞって手入れ不要の考えだったから手入れ部屋なんて荒れに荒れまくってたんだよねェ…

そんなんじゃあなくて安心だ。

それにしても…藤四郎兄弟の包丁と博多はなぜ生き残って…?
まぁ、そこら辺はあとで聴くとして今は手入れ部屋を少しでもきれいにすることが優先事項か


「そんじゃ…アタシ達は先に手入れ部屋に行ってある程度綺麗にしてくる。包丁、アンタは博多をゆっくり持ってきとくれ。ほら、急いで転んじまったりでもしたら、アンタも博多も危ないだろう?」

そう説明してやると包丁は博多を布で堤直してから抱きしめて小さく頷いた。

「さて、日本号。仕事の時間さねェ…行くよっ!」
「あいよ」


本丸の部屋構造は審神者の申告が有れば変えられるものの、基本的に一番最初は全員一緒の構造となっている。

ここはどうやら申請をしていなかったみたいで初期構造と同じだったから手入れ部屋を特定するのは造作もないことだった


カラリと障子を開けてみればこもった湿気と埃っぽい空気が容赦なく襲ってくる

「うっわ…サイッアク」
「お前さんにはちょいときついな…ま、頑張ろうぜ?」

そう言って励ましてくれるのは非常に嬉しいものの、すでにくしゃみが出そうなアタシである


とりあえず障子を前回まで開けてから応急処置として霊力を使うことにした


パチン、と指を鳴らせばすぐに部屋に薄い氷状の膜が張ってはパキンと砕けて辺りに降り注ぐ。
アタシ達が掃除をしないとここの埃はどうにも出来ないから埃っぽさは変わらないものの、少しだけ、息をしやすくはなった。


「…そういやぁよ、直接霊力を流し込むだけで手入れを終わらせてる部下をよく見るが…アンタは霊力に足して手入れ部屋を使ってるよな?」


「ん…あぁ、そっか。日本号には話して無かったっけねェ…
確かに刀剣は霊力を流し込んでも手入れができる…が、それは完全な手入れじゃあない。完全に手入れをしたいなら手入れ部屋を使うしかないのさ。

手入れ部屋を使わず、霊力を流しただけで終わらせた手入れってのは…
わかりやすく言うと、最後に調味料入れることで完成する料理に調味料入れないで未完成のまま客に提供するようなモンだ」

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ガーベラ - はじめまして!課長様、姉貴肌ですね〜。こんなお姉ちゃん欲しかったな〜。続き楽しみにしています!これからも更新頑張ってください! (2020年11月28日 20時) (レス) id: cdc708129e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:病蛟 | 作成日時:2020年7月12日 17時

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