【刀剣乱舞】政府から審神者に人事異動することになった (ページ19)

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１８話ページ19

日本号に手伝ってもらってなんとか上体を起こす。首をぐるりと回すとコキコキ、と軽く音が鳴った。

背中の傷はまだ痛むし、一期に付けられた傷も思い出してなくて放って置いた結果、悪化してたらしい、そのことでも先刻日本号に凄い威圧で怒られた。

不器用に巻かれた包帯の感触が少しばかり嬉しくて、無意識に頬が緩むのを必死に抑えてはくぁ、と欠伸を零した。
そういやぁ……いつだったかねェ…こんなぐっすり寝たのは…今まで仕事仕事仕事、の連続だったから徹夜上等だったしねェ

寝るって案外素晴らしいモンだ…

「…馬鹿ちん！俺が守るって…いうたけん…なんで俺のこと守ると！？傷つかせてまで…俺は守られたくないばい…っ！うぁ…あ～ッ！」
「うぉ、お…博多……ッ…」

どたどた、と部屋に飛び込んできてはアタシに超高速のタックルをかましてきた博多に少々驚いた。アタシにぎゅう、と抱きついてはボロボロと涙を零す博多の頭を優しく撫でた。

「……アタシは……ねェ…博多、アンタに守られるのも、良い。というより、アタシの懐刀としてこれからも役目を全うしてくれるかい？
でも……アタシだってアンタが傷ついてまで守られたくない。アンタが傷付くくらいならアタシはこの身を差し出すさね。それに、ほら……あの時の約束、覚えてるだろう？」

小さく嗚咽を漏らす博多…その体は少し震えていて、相当怖い思いをさせてしまったと実感しちまった。

「アタシとアンタが初めて会った時、アタシは必ずアンタを探し出して守り抜く、って約束をした。
そして、明石との対戦の時…あの時は抱きしめて「がんばった」っていうって約束をした

博多、アンタはもう十分アタシを守ってくれてる
それと同じくらいアタシはアンタを想ってる

だから……もう一度正式に約束を果たそうか」

よいしょ、とアタシの上に蹲っていた博多をひっぺがしてはアタシの膝に対面に座らせた。

涙で濡れた頬に指を這わせて涙を拭う。その時にはもう、博多も軽く笑顔を見せていた

「博多藤四郎」

「ん」

「よく、がんばった。流石、アタシの自慢の刀剣さね……！」

ぎゅぅ、と抱きしめては部屋に二人の笑い声が響く。
それを障子のところから微笑ましそうに日本号が見てきたことには気付いていたがこの時ばかりは見て見ぬ振りをした。