【刀剣乱舞】政府から審神者に人事異動することになった (ページ15)

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１４話ページ15

私が叫べばこの部屋の中は少しの間シン…とした。明石は唇を噛み締めて憎らしそうにこっちを睨んでいる

「馬鹿な事…自分の、この子達を治したいゆう必死な思いを馬鹿な事って何言ってんです？それともまだ！夜伽でも足りへん言うんですか！？」

「甘ったれた事言ってんじゃあないよ…！霊力で何でもかんでも治せるなんて大間違いだ！この世の理が崩れちまうだろうが…死んだ人間は霊力で生き返らない、それと同じ。アンタだって分かってんじゃあないのかい！」

そのあとはまた暫く睨みあいが続き辺りには重苦しい空気が漂う。
アタシだって霊力で直せるなら直してやりたい。だけど出来ない。

ブラック本丸監活課に配属されたときに一番悔しく思ったことだ
「どうして霊力で直せない」
「直ったら皆幸せになる」

道を外れて禁忌を犯そうとしたアタシの目を覚ましてくれたのは日本号だったねェ……
…アタシもそろそろ、腕が縛られたままッつーのは疲れちまった

「………政府から来たいうからもしかして、思ったんですけど……ほな、直せへんのやったら入りまへん。死んで、下さい」

冷た瞳に見据えられては構えられる傷一つない美麗な太刀。しょうがない、後の事は…日本号に任せられっかねェ？アタシの人生もここまで…か。

最後に、せめて会いたかった、ねェ。勢いよく振り下ろされる太刀にアタシは目を瞑って一言呟いた

「博多、約束守れなくてすまなかった」

「ここが！一番の投資時たい！」

元気な声が響いてキンッと刀と刀のぶつかり合った音が部屋に響いた。
ハッとして目を開けるとクリーム色の髪の毛の小さな背中。構えている短刀の柄にはオレンジ色の布が巻かれていて

アタシに向けられていた明石の攻撃はソイツによって防がれていた

「……ッ！なんっ……人の姿を保ってられんくて刀に戻りはったって聞いてたんやけど……想定外ですわ」

「A居るところに俺有り、ばい！短刀だからって舐めてかかると痛い目見るとよ！」

博多藤四郎……ッ

「ッ博多……！？アンタ、どうしてここにっ…！」
「そら、目ぇ覚めて超特急でここに来たと！ずっと信じとった人、目の前でやられちゃ意味ないばい…すぐ、助けるばってん……終わったら

よく頑張った、って抱きしめて欲しいばい」

明石の刀をバッと押し返してはクルリとこちらに笑みを向けながらそういう博多。
その笑顔は年相応の眩しいくらいの笑顔で……

知らず知らずのうちに、自分の頬が涙で濡れていた