「」 (ページ21)

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初めましてページ21

その人は宣言通り自分の口元にコップを付けゆっくりと傾けてくれた。

ある程度喉が潤ったらいいタイミングでコップを離してくれた。

「あ、ありがとう」

今度は掠れることなく自分の声を出す事が出来た。

ヴァ「どういたしまして。俺はヴァルカン、第8の整備士をしてる。よろしくな！」

ヴァルカンはそう言って、すっと手を差し出してくれた。

これは握手を求められてるんだよね？？

でも、今自分は手をあげるほどの力もないし………

そう思ってたのが顔に出たのか分からないが、察してくれたようで謝りながら手を下ろしてくれた。

ヴァ「あー、わりぃ、っと目覚めたこと皆に伝えてくるな、ついでに欲しい物と何かあるか？」

「え、あ、大丈夫です。」

つい、敬語になってしまったけど、変じゃなかったじゃろうか

ヴァルカンはフッと小さく笑みをこぼした

ヴァ「なんで敬語なんだよ。別に敬語とかいいよ、俺たち仲間になるんだしな」

仲間………あ、そうか第8の保護下に入って消防士になる約束したんだっけ

「あ、うん、よろしくヴァルカン、自分はA 炎気軽にAって、呼んで」

ヴァ「おう！よろしくな！じゃぁ皆にAが目を覚ましたって、伝えてくるな」

「あ、うん、行ってらっしゃい」

バタンと扉の閉まる音が聞こえた瞬間、張っていた緊張の糸が切れた

ポロポロと涙が手に落ちる

「そっかぁ、お母さん、焔人になっちゃったんだ」

涙が頬を伝い白いシーツに無数の灰色のシミをつける

それをどうにか止めようと目を固く瞑る、でも止まらず、涙は自分の頬を伝い枕に灰色のシミを作るだけだった。

「お母さんッ無事に…ヒック……炎へッ還れたッかなぁ」

あんな、お母さん、自分第8特殊消防隊に入る事になったんよ？

来年のバレンタインにはお母さん特性のチョコレートマフィンの作り方を教えてくれる約束したじゃんまだ、教えて貰ってないよ？