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暴走ページ16

自分の、思考が纏まらず

この人が何を言っているのか理解が出来ない

いや、理解はしているんだ………と思う。

でも、それを認めたくない

だって、ニュースでやっているような焔人の話は画面の中の話であって、自分には関係の無いことだと思ってたし

今日、実際目の前に焔人が現れてもやっぱり無関係だからなのか、覚えてないからなのか分からないけど、悲しくも辛くもなかった。

覚悟だって、今日決めたばっかりだからあんまりきちんと分かってなかった。

それに、自分の母は老ﾀﾋするまで自分がきちんと面倒を見て、自分を引き取ってくれた恩を返すとそう決めてたのに

自分は孤児だったらしいからそんな事でしか恩の返し方なんかわかんなかったから

そんなことをぐるぐると考えていると段々と自分の周りが熱くなっていく

視界の端に黒い何かが見えた。

ぼんやりとした思考の中、自分の冷静な部分があぁ、自分は暴走をしているんだなと理解した

理解はしていてもそれを止める手立てがない。

自分は今、母のﾀﾋを全力で否定している

どれだけたったか分からないがリンっと音が聞こえたと思ったら、自分は冷たい何かの中で意識を飛ばした。

──ＮＯside──

森羅達は急に走り出したAを追いかけた。

環「ウッソだろ！？あいつなんであんなに足速いんだよ！」

ア「しるか！さっさと追いかけるぞ！」

森「喋ってないで早く行くぞ！見失ったらヤバい！護衛の意味が無くなるだろ！」

3人は追いかけてはいるが、Aの足が早すぎて追いつけていない。

3人は全速力で走った。

森「ゲホゲホッやっと追いついた」

環「おいA大丈夫か？」

3人が息を整え、顔をあげるとそこには既に暴走し始めたAがいた

Aの周りには黒い炎がぼうぼうと燃え盛り、周りの消防官達が何とか消化しようと、水をかける

しかし水がかかる前に炎の火力によって水が蒸発していく

森「なんだよ、これ」

環「暴走…………」

唖然と突っ立っている、2人にアーサーは怒鳴りながらも瞬時に状況を把握しAの暴走を止めに入る

ア「何を突っ立っている！！早く姫君を正気に戻さなければ灰病になるぞ！」