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第23話:守るから。 ページ23

探偵社に着くと、
敦とA以外の面子は全て出払った。

修理代や請求書、警察など...
その対応に向かったのだ。
何せ、死 者まで出してしまったのだから。

「...」

二人は書類の整理を任され黙々と仕事をしていた。

「あ、そっちの書類は僕がやるよ」

「わかった、じゃあこっちをやるね」

Aが太宰のデスクを通りすぎようとして
いると、ガサッと音がして、
書類の山が雪崩を起こして落ちてきた。

「あわ...!いてっ」

敦がAを押し倒し、犠牲になった。

書類は山を崩して一通り落ちてくると、
仕上げと言わんばかりに重り変わりのマグネットが
敦の頭にヒットした。

「Aちゃん、大丈夫だった?」

Aは顔を赤くしていた。
そして思った...

(これが世に云う床ドンか!)

いつまで経っても避けようとしない敦に、
Aは声を掛けた。

「敦...?」

「ごめん...僕が、僕が力不足だったから
君をあんなに合わせてしまった。
でも、もうこんなことが二度と無いように
僕が君を守るから...!」

「え、敦...それって...」

「...へ?...あ、いやその...」

かぁぁぁ、ボンッ。
と効果音がしそうな勢いで顔を赤くした敦。
やがて決心したように口を開いた。

「Aちゃん、



君が好きだ...



僕がずっと傍にいるから」


「......」

敦の言葉に、口を開けたまま呆然とするA。

「あり、がと...」

ずっと、届かないと思っていた恋が、
ずっと、叶わないと思っていた恋が、

ずっと、この人には届かないと思っていたのに、

こんな風に...。

「私で、善いのかな...」

初めて心からの"好き"を言ってもらえた。
初めて好きな人からの"好き"をもらえた。

Aの目に、熱いものが浮かんだ。

「あ、Aちゃん...!?」

「ごめ...敦の顔、上手く見えないや...
私のこと、ちゃんと守ってよ...?」

「約束する」






探偵社の扉の前...
社員達が穏やかに微笑んでいたことなんて、
二人は知ることはないだろう。

「最近の若者は...」

「おやおや」

「微笑ましいねェ?」

「録音完了...く、ふふ」

「太宰......」

+**+。あとがき。+**+→←第22話:虎と羅生門。



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設定タグ:文スト , 中島敦 , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
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緑野アリス(プロフ) - 粋さん» コメントありがとうございます!これからも精一杯頑張らせて頂きます! (2018年6月27日 19時) (レス) id: 1ea7b4cf06 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - とてもこの作品好きです!夢主ちゃんもとても可愛いです。更新頑張ってください! (2018年6月27日 19時) (レス) id: 232d77c3ac (このIDを非表示/違反報告)
緑野アリス(プロフ) - さくらさん» コメントありがとうございます!これからも精一杯頑張らせて頂きます! (2018年6月12日 20時) (レス) id: 1ea7b4cf06 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - はじめまして!さくらと言います!このお話とても面白いです(*^^*)これからも頑張ってください!応援してます!このお話大好きです(*^^*)出来たらコメント返してくれると嬉しいです!!!おこがましくてすみませんスライディング土下座 (2018年6月12日 20時) (レス) id: 05de94b2f8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:緑野アリス | 作成日時:2018年6月12日 17時

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