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第3話:太宰治。 ページ3

分かった。分かったぞ。

彼が今何処にいて何をしているのか。

武装探偵社。

軍警では解決出来ないような
荒事を請け負う異能力集団組織。

何でも、色んな強い人が
沢山集まっているとか...。

Aは、探偵社の
社員寮の敷地に足を踏み入れる。

のそりのそりと、
周りを確認しながら忍び足で
寮に近づく。

あと少し。

と、言うところで見つかった。

「やァ、そこ行く美しいお方!
良ければ、私とお茶でも如何だい?」

ボサボサの黒い蓬髪。
砂色の長外套。

容姿端麗で、
思わず見惚れてしまう。

はっと我に帰る。

「い、いえ!結構です!」

「えぇ〜すこーしだけ!
本当にすこーしだけで良いから、
一緒にお茶しようよ
行きつけの店があるんだ
奢るから〜おねーがーい」

奢ると言われては仕方ない!

何せ、ここ数日何も
食べていないのだ。

腹が減るのは当たり前だ。

「んー...分かりました」

「わー、ありがとうー!
ところで、お名前聞いてもいい?」

「Aです。
AA」

「Aちゃんかァ〜
うん、良い名だね!
私は太宰治。
武装探偵社の人間だ」

「武装探偵社!?」

「さ、行こう行こう」

そしてAは、
太宰に腕を引かれて、
ある喫茶店へと
連れられた。

うずまき。そう書かれた
看板が目に入った。

内装は、結構お洒落だ。
テーブル席に座った。

水の入ったコップがテーブルに置かれ、
カランと涼しい氷の音がたった。

「ところで君、
探偵社に何か用だったのかい?」

太宰がAの向かいの席で
テーブルで手を組み、肘をつく。

「あ、その...
そちらに、中島敦と言う少年は
いらっしゃいますか?
その人に、これを渡したくて」

Aはリュックに入れていた
虎のぬいぐるみを取り出し、
太宰に差し出した。

「贈り物かい?
それにしても、可愛らしい
ぬいぐるみだ...」

少し汚れてもいたが、
太宰はそれに対して何も
言いはしなかった。

「敦君は探偵社にいるよ。
これを渡せばいいのかい?
君が渡そうとしたのだから、
自分で渡しに行けば
喜ぶんじゃないのかい?」

「いえ、良いんです。これで」

それでは。

Aは席を立ち、
喫茶店を後にしたのだった。

第4話:古い汚れ。→←第2話:一杯の茶漬け。



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設定タグ:文スト , 中島敦 , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
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緑野アリス(プロフ) - 粋さん» コメントありがとうございます!これからも精一杯頑張らせて頂きます! (2018年6月27日 19時) (レス) id: 1ea7b4cf06 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - とてもこの作品好きです!夢主ちゃんもとても可愛いです。更新頑張ってください! (2018年6月27日 19時) (レス) id: 232d77c3ac (このIDを非表示/違反報告)
緑野アリス(プロフ) - さくらさん» コメントありがとうございます!これからも精一杯頑張らせて頂きます! (2018年6月12日 20時) (レス) id: 1ea7b4cf06 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - はじめまして!さくらと言います!このお話とても面白いです(*^^*)これからも頑張ってください!応援してます!このお話大好きです(*^^*)出来たらコメント返してくれると嬉しいです!!!おこがましくてすみませんスライディング土下座 (2018年6月12日 20時) (レス) id: 05de94b2f8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:緑野アリス | 作成日時:2018年6月12日 17時

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