第14話:夜。月の綺麗に_____。 ページ14
夜。その日は、
特に月が綺麗だった。
Aは、食後の運動と思い
外を散歩していた。
「...綺麗だな」
一人、呟き上を見上げる。
ふと、視線を下に向けると
河を見ている太宰の姿を捉えた。
小走りで傍に寄る。
「今晩わ、太宰さん」
「ん?あぁ、君か。
どうしたんだい?こんな時間に」
「いえ、一寸食後の運動をと」
「そうかい」
訪れる沈黙。
気まずさを感じ、Aが口を開く。
「綺麗ですね。月」
「私は、君が綺麗だと思うよ」
突如放たれた言葉に驚くA。
「月の光に照らされて、
とても美しいと思ってね」
あぁ、いつもの口説き文句か。
苦笑いを浮かべ、適当にはぐらかす。
そして、そのまま少しの間二人で話した。
(敦の色んな話、聞けたなぁ♪)
ルンルンとご機嫌で帰っていると、
前方から誰かが駆けてくる。
「Aちゃーん!」
「敦!?どうしたの?」
「だって、あまりに帰りが遅いから
何かあったんじゃないかって心配になって」
もうそんなに経っていたのか。
「大丈夫だよ。何もないから」
「そっか、善かった」
正直、思うところがあった。
何故こんなに自分のことを
気に掛けるのだろう、と。
(もしかして、私のこと...!)
赤くなる頬を手で押さえ、
フルフルと首を横に思い切り振る。
でももしかしたら_____。
「どうしたの?」
「え!?何でもないよ!大丈夫...!」
淡い恋心を隠しつつ、
月下の道を二人で歩くのだった。
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緑野アリス(プロフ) - 粋さん» コメントありがとうございます!これからも精一杯頑張らせて頂きます! (2018年6月27日 19時) (レス) id: 1ea7b4cf06 (このIDを非表示/違反報告)
粋(プロフ) - とてもこの作品好きです!夢主ちゃんもとても可愛いです。更新頑張ってください! (2018年6月27日 19時) (レス) id: 232d77c3ac (このIDを非表示/違反報告)
緑野アリス(プロフ) - さくらさん» コメントありがとうございます!これからも精一杯頑張らせて頂きます! (2018年6月12日 20時) (レス) id: 1ea7b4cf06 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - はじめまして!さくらと言います!このお話とても面白いです(*^^*)これからも頑張ってください!応援してます!このお話大好きです(*^^*)出来たらコメント返してくれると嬉しいです!!!おこがましくてすみませんスライディング土下座 (2018年6月12日 20時) (レス) id: 05de94b2f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:緑野アリス | 作成日時:2018年6月12日 17時