緑間真太郎は恋にも鈍感 (ページ29)

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28話ページ29

バスは残念ながら同じではなく、私達のクラスは担任と生徒だけを乗せて次の目的地へ向かった

1日目は飛行機でみんな疲れているからと言うこともあり、ほぼ観光なプラン

博物館を回り、伝統工芸品を作る体験をし、それはそれはあっという間に時間が過ぎていった

周りの彼氏がいる友達達は、一緒に回ったり写真撮ったりすごく幸せそうで

なんだかいいなぁと思ってみたりして

でもそんな彼らをみたうららは「女友達の方が楽しいよねーーー」と私の心を見透かしたように私の顔を覗き込んだ

「確かに、恋なんて苦しいだけだし…」と私が誤魔化すと、まことちゃんは「もしかして私たち非リア軍団になってる？」と笑って

そんな彼女の発言に3人で笑った

そんなこんなで16時を回った頃、1日目のホテルへ向かうことになりまたバスへ乗り込んだ

修学旅行のこのうかれた雰囲気のバスは嫌いじゃない

バスの中でふと聞こえた「緑間先生と写真撮ってもらったの！」と言う声に思わず体が反応して「えぇ！いいなぁ！」とさらに続く声に胸が痛くなった

バスの中では男子も交えて人狼やらトランプやらUNOやらを楽しみ、すぐにホテルへついた

宿へついて夜ご飯を食べ、お風呂に入り、楽しい楽しいお部屋時間

今回の修学旅行はホテルなので、下半分の階が男子、上半分が女子と分かれている
風呂上がりに男子と出会うことはまずない
まあ偏差値それなりに高い秀徳高校の皆様がそんなことをするはずもないんだけど…

「んじゃ！マリ○カートやるよ！！！」

ピロンと音を鳴らしてゲームを始めようとしたところを、今日の相部屋の相手のうららに「ちょちょちょちょ」と声をかけられた

「なになになに」

私が慌ててジョイコンから手を離すと、彼女はベッドの上で何やら企んだ顔をしていて

「ねーえ？やっぱ恋バナでしょ」

と言い放ったと同時に、パジャマ姿の私をベッドにひきずりこんだ