五話 ページ6
「鶴見中尉殿！お土産のみたらし団子です。中尉殿は甘味が好きだと耳にしたので買ってまいりました。後、これが不死身の杉元だと思います。取り調べるなり殺すなり好きにしてください。」
私は鶴見中尉殿に杉元を引き渡すと鶴見中尉殿は大層喜ばれていた。わざわざ街にまで行った甲斐があった。杉元に殴られてまだ少し痛む鼻も鶴見中尉殿の笑顔を見ればすーっと痛みが引いていくようだ。
杉元を殺してから身包みはがして刺青人皮を探せばいいものの鶴見中尉殿と杉元はなにやら話をするらしい。私はもう下がっていいと言われたので一旦与えられた部屋に戻り月島軍曹へ送る手紙を書くことにした。月島軍曹に女である事がバレてからは定期的に文通を行うようになったのである。隊に混乱を起こさないためというわけもあるだろうがまるで母親のように心配してくれる月島軍曹との文通は私の少ない楽しみの一つとなっている。
《月島軍曹殿。此方は問題なくことが進みそうです。鶴見中尉殿は毎日お変わりなく大変麗しい様子でございます。其方はいかがお過ごしでしょうか？鯉登は鶴見中尉殿恋しさに泣いていないでしょうか。宇佐美は発狂していないでしょうか。クソ尾形は謀反を起こしてはいないでしょうか。気がかりな事は沢山ありますがもう少し此方で鶴見中尉殿と頑張ろうと思います。では月島軍曹も体調を崩さぬよう気をつけてお過ごしください。上等兵沢木A》
まあ、こんなもので良いだろう。鶴見中尉殿の麗しいご様子については後一万字書いても足りないくらいだがそのような時間はあまりないので今日はこのくらいにしておこう。おっと、切手が無いな。街に行って買いに行こう。廊下に出ると丁度二階堂兄弟が部屋の前を通り過ぎた。二人は随時耳元でコショコショと内緒話のように話していてあまり気分のいいものではない。
少しその会話の内容が気になり瓜二つな二人の会話に少し耳をすませるとなにやら杉元の事を話しているらしい。鶴見中尉殿の手にかかっても刺青人皮の在り処は吐かせる事に失敗したらしい。だが二階堂兄弟で杉元に刺青人皮の在り処を吐かせるには少々荷が重すぎる。杉元は強い。縛られているからといって油断していれば喉元を噛みちぎられるぞ。
街に行くのは後にして私は二人の後をつけることにした。
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にわとり軍団(プロフ) - これからも、無理せず頑張ってください (2021年7月7日 20時) (
レス) id: f3a836e824 (このIDを非表示/違反報告)
ババロア(プロフ) - 拙い文章ですが読んでいただきありがとうございます。コメント励みになります。 (2021年7月7日 16時) (レス) id: 4b791cffdb (このIDを非表示/違反報告)
にわとり軍団(プロフ) - 普通に面白いです (2021年7月6日 20時) (レス) id: f3a836e824 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月崎和乃 | 作成日時：2021年5月4日 15時
