episode37 ページ38
『へ・・・』
驚きの余り変な声が出てしまった
(今、彼は何を言ったんだ?何を言ったの?)
頭の中がこんがらがってきた
真緒「あれ?もしかして聞こえなかったか?」
念の為も一度言うぞと、彼は背筋が凍る様な言葉を吐いた
真緒「お前は、森なんかに行ってないよな?」
そう言った途端、真緒は両足をベッドに乗っけて更に此方へ詰め寄って来た
そのせいで彼の顔がすぐそばまで迫って来た
真緒「どうなんだ?ん?」
『え、えっと・・・』
どう答えるか・・・
事の真相を全てを話すべきか
(でも・・・)
零「約束してくれ。今日俺達に会った事、森の中での出来事は絶対、他の誰にも言うな」
凛月「A」
2人の前で交わした約束が頭の中を過る
真実を話したいが、話せば彼らとの約束を破る裏切り行為になってしまう
だけど嘘付きは泥棒のはじまりで悪い事、どうすれば・・・
(御免・・・なさい)
頭の中である人物達を浮かべながら心の中で呟いた
『真緒』
真緒「ん?」
『私・・・森には行ってないよ』
私は覚悟を決め、真緒の翡翠の瞳を見つめながら言葉を放った
私が心の中で謝罪した人物達、それは叔母様と真緒だった
天涯孤独な私を女手一つで育ててくれた叔母様といつもそばに居てくれる真緒
大切な2人を裏切ったのは心が苦しい
最低最悪な行為をしているのは、充分理解している
だけど、どうしてもこの事を話したくない。秘密にしておきたい。彼らとの約束を破りたくないと言う自分がいた
だから、私は・・・彼らとの約束を守る、この選択にしたのだ
(2人共、本当に御免なさい・・・)
真緒「そうか、森には行ってないんだな」
『うん』
真緒「クスッ」
(え?)
どうして今笑ったの?
笑える箇所なんて何処にも無かった気がするのだが
真緒「そうかそうか、行ってないんだよな」
『う、うん。今そう言ったじゃん』
真緒「じゃあさ、念の為聞くけど」
彼は嬉しそうに言いながら壁から片方の手を離し、ポケットから1枚の写真を取り出した
真緒「コレ、どう説明するんだ?」
そのまま写真を手渡された
『え・・・』
渡された写真を見た瞬間、言葉を失った
真緒「もう一度聞くけど、これでもお前は森に行ってないと言えるのか?」
そこに映っていたのは
(嘘、でしょ・・・)
紛れも無い、森の中で彼らと笑う自分自身の姿だった
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作者名:灯火 | 作成日時:2018年1月28日 18時