-41 ページ41
.
『ギータが試合で札幌来た時にな、一緒にお寿司食べ行った。帰りもいつもみたいにおんなじタクシーで途中下車っち流れ。
……それをね、たまたま卓が見たんやって』
G 39「、、っ！！」
『ギータと私がな、付き合うとるっち思って距離置いたんやって』
G39「……それ、みずほは否定しなかったと？」
『したかったよ、したかった。ばってん……、、』
ああ、俺はみずほのこの涙を知っている。
トレードが決まって、3人で飲んだ帰りのタクシー
俺の門出を祝いながらも、福岡を離れることに寂しいと言って見せた、あの涙だ。
誰かを想って流す、あの涙。
『……っそん時にな、違うっち言う前にな、、
ギータと仲ようせなよかったっち、思ってしまったんよ、、、！
いっつも味方してくれて、助けてくれたギータとの関係を少しでも否定した自分が、情けんくて、許せんかったっ！！』
俺もギータも、たぶん中島卓也だって、
みずほにはただ、ただ笑っていてほしいはずなのに
どうしてこうも上手く行かないのだろ
G39「、、、みずほ」
すっぴんで目も鼻も赤くして泣く姿は、とても幼く見えて。
こんなに細い体に、どれだけ悩みを抱えていたのだろうか。
G39「仕事で顔合わせても、ずっと笑っとかないけんのやろ、きつかったよな？ギータにも言えんし、辛かったよな？
ひとりでよーがんばった。がんばったな、みずほ」
止まるところを知らない涙は、洋服にもシミを使っていて。
そっと手を広げれば、ポスッと収まりよく俺の胸でまた涙を流す
G39「すぐ飛んで行くっち言ったのに、ごめんな？」
『ｸﾞｽッ……ほんまや、全然来てくれんかった』
G39「わっ、怒ってるん！？ごめんな？ほんまごめんって」
『ｸﾞｽッ……嘘つき。そーがいっちゃんアカンわ』
G39「えっ俺、いっちゃんなん！？」
『……ん。そーがいっちゃんアカンから、今日はここから動かん。ずっとここで泣いたる』
G39「、、、おん。ずっとおるから」
ずっと、ずっと、俺がここにおるから。
トントンと一定のリズムで背中を叩いていると
今度はスースーと一定の寝息が聞こえてきて
いつもは俺1人のベッドに運ぶ
『んっ、、、そー？』
G39「おるよ、ちゃんと隣におるから」
『んーー…...』
いつもより狭いベッドで、みずほの温もりと悲しみを抱えながら、夜は更けていった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 84人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
デミ子(プロフ) - あいかさん» あいかさん、コメントありがとうございます！楽しんでいただけるよう、頑張ります^ ^是非また遊びに来てください(≧∀≦) (2019年8月9日 13時) (
レス) id: 795eb8b858 (このIDを非表示/違反報告)
あいか(プロフ) - わたし立岡さん大好きなので立岡さん出てくる小説、楽しみにしてます！ (2019年8月9日 10時) (レス) id: 390b85043f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：デミ子 | 作成日時：2019年8月9日 4時
