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K ページ47

「…っ、や!寒い……っ」


「潤くん大丈夫…しょーちゃんが
あっためてくれてるから、ね?」


「っう、やだ、やだ…っ」


ぼろぼろに泣いて暴れる潤を
マサキとショウが二人がかりで抱き留める。

温め始めてから数時間、漸く目を開いた潤は
寒い、をまるで譫言のように言い続けている。


「潤」


もうほとんど正規の温度に戻った潤の体温。

そっとその指をとるとそれは青紫色に変色していた。


「あ…カズ」


傍にきた俺を見て、マサキが少しほっとした顔をする。


「この程度で済んで良かったよ…
最悪、切断しなきゃかもしれなかったから」


「そっか……」


痛々しい色の指を包み込むように握り込む。

相当寒い、という意識が強く残ってるんだろう、
潤の身体は未だにがたがたと震えたままだ。


「大丈夫…だから、な?ほら、少し休め」


膝の上に潤を乗せているショウが
ゆっくりと潤の身体を抱きしめて、あやすように撫でる。

ショウの温かさに少し安心したのか、
疲れきった潤はこてん、と全体重をショウに預けて
張りつめていた糸が切れたかのように気を失った。


「…カズ、サトシは?」


潤の様子をみてちょっと落ち着いたマサキが
今度はここにいない仲間の心配を始めた。


「…ケリ。つけに行ったんだと思うけどね、俺は」


…大丈夫。

サトシはあいつが自分で思ってる程
弱い神様なんかじゃない。


「ちゃんと帰ってくるよ、絶対」



…あの、気の抜けるような穏やかな笑顔で。

O→←O



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智帆(プロフ) - Usuiさん» 今回ばかりは翔さんに譲ってあげた、と行ったところでしょうか( ´艸`)リアルでそんな彼らを見ることができたらもう叫ぶどころじゃ済まないですね…笑 こちら次回移行するので移行先でもどうぞよろしくお願いします! (2015年10月7日 9時) (レス) id: bdc080c0f9 (このIDを非表示/違反報告)
Usui(プロフ) - 潤くん気がついて良かった〜(^^)しかし、二宮さんの腕の中ではなく、翔さんの腕のなか(笑)翔潤好きには夢のまた夢の光景ですね(^^)大野さん、皆を守る宣言かっこいいです(≧∇≦) (2015年10月7日 0時) (レス) id: 97566c9139 (このIDを非表示/違反報告)
智帆(プロフ) - 紫苑さん» 長らくお待たせしてしまってすみません。気にかけてくださりありがとうございました(>_<)! (2015年10月2日 0時) (レス) id: bdc080c0f9 (このIDを非表示/違反報告)
智帆(プロフ) - Usuiさん» 潤くんが一番ないじっぱりさんですがやっぱり長年一緒にいた仲間は大事に思ってるんですよね~。これからサトシにもちょっと頑張ってもらいます笑 お返事大変遅くなってしまってすみませんでした! (2015年10月2日 0時) (レス) id: bdc080c0f9 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - 更新待ってます(^o^) (2015年9月28日 12時) (レス) id: 7195a2bb2d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:智帆 | 作成日時:2015年4月13日 0時

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