In the interspace of world and world

J ページ21

「カズ…お願い、もう終わらせて……っ」


自分の妖力にやられてしまうくらいなら
みんなの手で終わった方が数百倍マシだ。


どろどろと何も考えられなくなりだした頭を
なんとか動かしてそう言えばみんなの目が見開かれた。


…俺を傷つけたくなくて動けないんだよね？

でも、もうそんな遠慮なんてしなくていいから。


「う、っ……！」


放出されそうになった黒い妖力の塊を
どうにか押しとどめる。


「ほら、早く打て…！」


一瞬だらん、と垂れ下がった腕が
インブルの力によってまた強制的に伸ばされた。


影をインブルに抑えられている俺は
どうしたって適わなくて。

今は少し残っている意志で若干抵抗できているけど
それもそろそろ限界だ。


早く…早く終わらせて。


そう思ったとき、ふわ、と身体が優しく包み込まれた。


熱で朦朧としてても分かる、大好きな、この温もりは…


「カズ…！逃げて、お願いだから…っ」


必死に言葉を紡いだ瞬間、
身体が勝手に動いて、黒球がカズに命中する。


「ぐ…！っう……」


カズの顔が苦痛に歪むのが
潤んで霞んだ視界でも分かった。


「カズ…！ごめん、ごめんなさ……」


「大丈夫、喋んな」


苦しそうにしながらもカズは
俺の目を見てはっきりそう言った。





「…俺はもう一生お前を離さない覚悟はできてんだよ」

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