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J ページ20

熱い…苦しい…


ぐるぐると全身の血が沸き立つような感覚。

はっ、と途切れ途切れに吐き出す息が
異常に熱を帯びている。


「ほら、もっと頑張りなさい?」


インブルがそう言った瞬間、
身体の奥底からさらに熱い何かが湧き出して
全身を駆けめぐっていく。


「う、あ、ぁぁぁぁ!」


抵抗することも出来ず、
俺は自分の身体の変化に追いつけない。


「お前、潤に何したっ!!」


カズの怒鳴り声がどこか遠くに聞こえる。

熱に浮かされ、涙で滲んだ視界からは
ぼやけた姿しか映らなかった。


「何、少しこの人間の中にある
妖力を増幅して操ってるだけですよ。
腐るほどあるんでしょう?こいつの中には、
自分の物でもない、他人の妖力が」


掌に徐々に集まってくる熱。

さっき放ったものよりも強く感じるそれは
俺の制御を超えてさらに大きさを増していく。


「やだ…逃げて……カズ………」


「止めたかったらこの人間と戦えばいい。
早くしないと自分の妖力に飲み込まれて
こいつの命も危うくなりますよ?」


インブルの言葉にぶわ、と涙が滲む。


「あなた方がこの人間を攻撃できなくても
こいつは自分の妖力に抗えない!
妖と人間が友好的に関わることなんて
私は絶対許さない!」


ぐわん、と頭が揺れてずきずきと痛みが走る。

…インブルに操られるがままの俺は
大きくなる妖力を抑えられない。

…さっきはサトシの力の方が上だったけど
もしかしたら今度は……


力が抜けて、今にも崩れ落ちそうな身体。

それが出来ないのはインブルの力で
無理矢理立たされているからだ。


…嫌だ、カズをみんなを、傷つけたくない。

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智帆(プロフ) - Usuiさん» 今回ばかりは翔さんに譲ってあげた、と行ったところでしょうか( ´艸`)リアルでそんな彼らを見ることができたらもう叫ぶどころじゃ済まないですね…笑 こちら次回移行するので移行先でもどうぞよろしくお願いします! (2015年10月7日 9時) (レス) id: bdc080c0f9 (このIDを非表示/違反報告)
Usui(プロフ) - 潤くん気がついて良かった〜(^^)しかし、二宮さんの腕の中ではなく、翔さんの腕のなか(笑)翔潤好きには夢のまた夢の光景ですね(^^)大野さん、皆を守る宣言かっこいいです(≧∇≦) (2015年10月7日 0時) (レス) id: 97566c9139 (このIDを非表示/違反報告)
智帆(プロフ) - 紫苑さん» 長らくお待たせしてしまってすみません。気にかけてくださりありがとうございました(>_<)! (2015年10月2日 0時) (レス) id: bdc080c0f9 (このIDを非表示/違反報告)
智帆(プロフ) - Usuiさん» 潤くんが一番ないじっぱりさんですがやっぱり長年一緒にいた仲間は大事に思ってるんですよね~。これからサトシにもちょっと頑張ってもらいます笑 お返事大変遅くなってしまってすみませんでした! (2015年10月2日 0時) (レス) id: bdc080c0f9 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - 更新待ってます(^o^) (2015年9月28日 12時) (レス) id: 7195a2bb2d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:智帆 | 作成日時:2015年4月13日 0時

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