検索窓
今日:16 hit、昨日:0 hit、合計:153,336 hit

S ページ14

人間嫌いの典型的な妖、か。


ついこの前まで俺もそっちの立場だった故、
その気持ちは分からないわけじゃない。


…でも、人間だってみんな同じ奴ばっかりじゃない
ってことを今の俺は知っているから。


ちら、と潤を見る。

怯えたような色を灯す目。


この存在が、愛しいと、護りたいと、
俺は今胸を張って言える。



ふっ、と息をついて目の前の妖に向かおうと
足に力を入れた途端、身体がぐん、と引き戻された。


「…!?」


動けない?

ふと隣のカズを見ればカズも歯を食いしばって
必死になっているのが目に入った。


「くくく……」


ぞくぞくと背筋を震わせるような
気味の悪い笑い声が響く。


「お前、もしかして……」


はたと思いついた一つの可能性。

夕日に照らされて伸びる自分の影がゆらゆらと揺れる。


「…おや、さすが頭の回転が早い」


びゅっ、と風を切る音がして
着物の腕の部分が切り裂かれて
腕から細い鮮血がほとばしる。


…くそ、迂闊だった。



「…私は 陰影のインブル。
あなた方の影は私の手中。動けないでしょう?」


影を自在に操ることのできる妖。

そこそこ名のある妖だが
こんな低俗な妖のような
風貌をしているとは思わなかった。


油断してしまった俺たちが甘かった…

K→←M



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (195 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
315人がお気に入り
設定タグ: ,
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

智帆(プロフ) - Usuiさん» 今回ばかりは翔さんに譲ってあげた、と行ったところでしょうか( ´艸`)リアルでそんな彼らを見ることができたらもう叫ぶどころじゃ済まないですね…笑 こちら次回移行するので移行先でもどうぞよろしくお願いします! (2015年10月7日 9時) (レス) id: bdc080c0f9 (このIDを非表示/違反報告)
Usui(プロフ) - 潤くん気がついて良かった〜(^^)しかし、二宮さんの腕の中ではなく、翔さんの腕のなか(笑)翔潤好きには夢のまた夢の光景ですね(^^)大野さん、皆を守る宣言かっこいいです(≧∇≦) (2015年10月7日 0時) (レス) id: 97566c9139 (このIDを非表示/違反報告)
智帆(プロフ) - 紫苑さん» 長らくお待たせしてしまってすみません。気にかけてくださりありがとうございました(>_<)! (2015年10月2日 0時) (レス) id: bdc080c0f9 (このIDを非表示/違反報告)
智帆(プロフ) - Usuiさん» 潤くんが一番ないじっぱりさんですがやっぱり長年一緒にいた仲間は大事に思ってるんですよね~。これからサトシにもちょっと頑張ってもらいます笑 お返事大変遅くなってしまってすみませんでした! (2015年10月2日 0時) (レス) id: bdc080c0f9 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - 更新待ってます(^o^) (2015年9月28日 12時) (レス) id: 7195a2bb2d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:智帆 | 作成日時:2015年4月13日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。