【鬼滅の刃】好きな人に婚約者がいるのですが【煉獄杏寿郎】

２６話 ページ27

出来上がった刀は鋼鐵塚さんから持ってきてくれるそうで、私は蝶屋敷に戻ってきた。


杏寿郎は私よりも先に戻って、華さんの元に行ったらしい。

しのぶ「あら、綺麗に包帯が巻かれていますね。どなたが？」



貴「担当刀鍛冶の人が、たまたま通りかかってやってくれたの」

しのぶちゃんが褒めるほどだから、かなり丁寧にやってくれたのだろう。


はい、終わりました。と言われたため、椅子から立ち上がる。



貴「ありがとうしのぶちゃん。華さんの様子見に行きたいんだけど、部屋はどこ？」



しのぶ「左に曲がって一番端の部屋です」



ありがとう、とお礼を言って言われた部屋へと向かう。


華さんは元気だろうか。そう思いながら扉を叩こうとしたとき、ふと話す声が聞こえた。



華「屋敷は自然が多いところに・・・・」

杏寿郎「空気が新鮮だからな！いいと思うぞ」



華「きっと幸せに暮らせるかと・・・・です・・・」


ピタリ、と扉をたたく手を止める。

華さんの声が途切れ途切れにしか聞こえないが、なんとなくわかる。



2人が住む屋敷のことについてだ。

2人はまだ煉獄家にいる形で、2人だけの屋敷は持っていない。



きっとどこに住まうか決めたのだろう。


華「あの・・・抱きしめてもらっても・・・・」



杏寿郎「・・・あぁ」


貴「っ・・・・」


その言葉に息が詰まった。




婚約者なのだから抱きしめることなんて、おかしなことではないじゃないか。



恐らく今抱きしめ合っているであろう2人を想像して、胸が痛む。


華「もうそろそろAさんに言わないと・・・・・屋敷を移す・・・手紙・・・」




そっか、華さんが言おうとしていたのはこのことだったのか。


もし知らずに言われていたら、私は笑って祝福できただろうか。



貴「あぁやだ、悪い思考になってる」


頭を振り払って、気を取り直す。


今は2人だけの時間を作ってあげよう。



それで、しのぶちゃんに慰めてもらって、蜜璃ちゃんと3人で甘味処行って・・・



嫌なことを忘れるために、天元にお酒に付き合ってもらって・・・


吹っ切れて、2人を笑顔でお祝いできたらいいな。

そんなことを思いながら、踵を返した。



大正コソコソ噂話
Aは日本酒にはめっぽう強いですが、洋酒は体に合わないのかめちゃくちゃ弱いです。

２７話→←２５話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す