32話 ページ32
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「おはよう。ねぇA、デートしよう」
『……へ?』
次の日の朝、目が覚めたら時透がとても良い笑顔でこう言ってきた。
「だから、デートしよ」
『デートって…どこ行くの?ていうか今日普通に学校あるけど』
いつもはのんびりな時透が今朝に限っては既に準備万端だった。
「今日1日くらい大丈夫だって。ホラ見てこれ」
『…え!どうしたのこれ』
じゃん!と効果音がつきそうな勢いで差し出された物に驚いた。
「実は昨日兄さんとこれを買いに行ってたんだよ。兄さんが僕1人じゃ不安だって言ってさー」
目の前にあるのは赤い服を着たネズミや黄色いクマのイラストが描いてあるチケットだった。
『でもこれ私が一緒に行って良いの?』
「Aと行きたいから買ったんだよ。たまにはさ、こういうデートも良くない?」
実の所、私はこの遊園地が大好きだったりする
だから嬉しくて時透の言葉に首を縦に振った。
「良かった。ホラ早く支度して行こう?」
『うん!すぐ準備するね』
時透の思いもよらないサプライズがすごく嬉しい。
急いで洗面所に向かってふと鏡を見ると、そこにはニヤけ顔の自分がいた。
───
──
─
『ゆ、夢の国だ……!無一郎見て見て!!』
電車に乗って着いた先には現実とはかけ離れた景色が広がっていた。
「あはは、普段のAじゃ想像つかないはしゃぎようだね」
『う…ごめん子供っぽくて』
確かに普段の私はこんなテンション高くないけど…
でもやっぱり夢の国は心が踊ってしまう。
「僕は良いと思うよ。はしゃいでるAも可愛いし」
『またそういう事言う』
ニヤッと少し意地悪く笑う時透にムッとするとそのまま手を引かれる。
「そんな顔しないで早く行こう?今日は嫌な事全部忘れて楽しまなきゃね」
『…うん、そうだね』
ニコリと笑って自然と指を絡ませてくる時透に少しだけ胸が高鳴ったのはここだけの話しだ。
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蓮(プロフ) - 澪凪さん» コメントありがとうございます!!!そう言って貰えて感無量です( ;∀;)今回のMVPは有一郎なんじゃないかって思ってます!!大好きって言ってもらえて本当に嬉しいです!!これからも頑張ります(≧∀≦) (2021年6月9日 0時) (レス) id: 52dd4b1169 (このIDを非表示/違反報告)
澪凪(プロフ) - ああああっ好きですっ!!てか有一郎!いいやつすぎる…!!大好きですこの作品も、蓮さんも!!頑張ってくださいっ!! (2021年6月8日 23時) (レス) id: 279a2ef6a9 (このIDを非表示/違反報告)
蓮(プロフ) - 環さん» そう言ってもらえてめちゃくちゃ嬉しいです(;ω;)最近更新が遅くて申し訳ないですホント…orzあと、恐らく50話に収まらないのでまた続編と言う形になりそうですが、最後までお付き合い頂けたら嬉しいです!!! (2021年6月6日 11時) (レス) id: 52dd4b1169 (このIDを非表示/違反報告)
環(プロフ) - ちょっ…!!むいくんカッコいいッ!!!蓮さん最高です大好きです大ファンです (2021年6月6日 8時) (レス) id: 940f9d3174 (このIDを非表示/違反報告)
蓮(プロフ) - 環さん» 2人がこんなデートしてたら良いなって思って書きました(*´ω`*)場所は…夢の国です!(笑) (2021年5月11日 12時) (レス) id: 52dd4b1169 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蓮 | 作成日時:2021年4月9日 22時