28話 ページ28
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『んっ……もう、急になに』
「ん?可愛いなって思ったらつい」
ついで毎回いきなりキスされたらたまらないよ。
そう心の中で文句を言いながら未だに笑っている時透を睨む。
「そんな顔しても可愛いだけだよ…と」
『わっ!何?ちょっと降ろしてよ!!』
いきなり訪れた浮遊感に驚く。
「ほら、暴れたら落ちちゃうよー」
『ねぇ!降ろしてってば!!』
時透はそんな私を無視して横抱きにしながらスタスタと歩き出す。
「はい到着ー」
『え?…きゃっ!!』
ポイっと放られた場所はどうやらベッドの上らしく、なんの痛みもなく身体が沈む。
『もう、普通に連れて来てよ』
「はいはい怒らない怒らない」
ゴロンと私の隣に時透も寝転がる。
「Aはあったかいねー。このまま寝ちゃいそう」
私に抱きつき、胸元を頭でグリグリされる。
『…今日はしないの?』
いつもだったらベッドに入ったらそういう行為になるのに。
「ふふ、したいの?もーいつからAはそんなえっちな子になっちゃったの?」
からかうように言う時透に顔が熱くなる。
『ち、違う!ただ、いつもだったらって思って…!』
私の反論に時透はクスクス笑って更にギュッと抱きしめてくる。
「今日はこのまま。僕ね、Aを抱きしめてると落ち着くんだよね」
『…そう』
まぁ時透が良いならいいや。
そう思ってそのまま空いた手でゆっくり頭を撫でると気持ち良さそうに笑う時透に釣られて私も笑ってしまう。
『(あ、そう言えば…)』
ふとある事を思い出した。
『ねえ無一郎ってさ、いつから私の事その…好きだったの?』
「えー?どうしたの急に」
『いや、ちょっと気になって』
前世から時透は私の事が好きらしいけど、私としては時透に好かれたタイミングが分からないし、ずっと気になってたからこの際聞いてしまおうかなって。
「最初に会った時の事覚えてる?」
『…あれは忘れられないでしょ』
お互い初めて会ったのは私と炭治郎と禰豆子の裁判だった。
約100年前の懐かしい光景がついこの間の事のように鮮明に頭をよぎった。
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蓮(プロフ) - 澪凪さん» コメントありがとうございます!!!そう言って貰えて感無量です( ;∀;)今回のMVPは有一郎なんじゃないかって思ってます!!大好きって言ってもらえて本当に嬉しいです!!これからも頑張ります(≧∀≦) (2021年6月9日 0時) (レス) id: 52dd4b1169 (このIDを非表示/違反報告)
澪凪(プロフ) - ああああっ好きですっ!!てか有一郎!いいやつすぎる…!!大好きですこの作品も、蓮さんも!!頑張ってくださいっ!! (2021年6月8日 23時) (レス) id: 279a2ef6a9 (このIDを非表示/違反報告)
蓮(プロフ) - 環さん» そう言ってもらえてめちゃくちゃ嬉しいです(;ω;)最近更新が遅くて申し訳ないですホント…orzあと、恐らく50話に収まらないのでまた続編と言う形になりそうですが、最後までお付き合い頂けたら嬉しいです!!! (2021年6月6日 11時) (レス) id: 52dd4b1169 (このIDを非表示/違反報告)
環(プロフ) - ちょっ…!!むいくんカッコいいッ!!!蓮さん最高です大好きです大ファンです (2021年6月6日 8時) (レス) id: 940f9d3174 (このIDを非表示/違反報告)
蓮(プロフ) - 環さん» 2人がこんなデートしてたら良いなって思って書きました(*´ω`*)場所は…夢の国です!(笑) (2021年5月11日 12時) (レス) id: 52dd4b1169 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蓮 | 作成日時:2021年4月9日 22時