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佰弐拾壱話 ページ32

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あの声は気のせいじゃなかった




目の前に会いたくて仕方がなかったAがいる。




今しがた僕を助けようとして敵の攻撃を食らってしまったけど、傷は深くなさそうでホッとした。






『…無一郎?何で、笑ってるの?』




顔に出ていたのか、怪訝そうな顔でAが聞いてきた。




声が聞こえないのは残念だけど、口の動きでAの言っている事は分かる。






「(Aが無事で良かった)」





君はすぐに無茶するから心配だったんだよ




上弦が来たのに大きな怪我がなくて良かった。







『…何で、そんな諦めたような顔してるの⁈』






「(…ごめんね、A)」





もう手が尽きたんだ




最期にAに会えて良かったよ。






『っ嫌だ!いなくならないって言ったじゃん!私を置いて死んだりしないって……っ私の為に、生きてくれるって言ったじゃない…‼』





ホントだよね。約束の一つも守れない勝手な奴でごめんね…







心の中でそう謝った時、Aは先程折れてしまった刀の刃先を持って水の鉢に突き刺した。







「(A⁉)」





Aの手から血が滴り落ちる




やめて、それ以上傷付かないでよ…




僕が首を振って止めようとしてもAはやめなかった。







『絶対にやめない!私は絶対に諦めない‼…無一郎だけは諦められない‼!』





こんな感情的な彼女を僕は初めて見た。





(無一郎、彼女は諦めてないよ。無一郎は諦めてしまっていいのかい?)





Aと再び聞こえた炭治郎の言葉にハッとさせられた。






「(なに、それ…そんな事言われたら、諦める訳にはいかないじゃん)」









『無一郎、手を掴んで‼』





ついに刃先が通って膜のような水に斬り込みが入った





(人のためにすることは巡り巡って自分のためになる。そして人は自分ではない誰かのために信じられないような力を出せる生き物なんだよ、無一郎)





「(うん、知ってる)」






目の前にいる彼女もそうだ




刀の刃先でこの水の鉢を破るなんて思わなかった。







A、勝手に諦めたりしてごめんね





もう大丈夫。もう、何があっても諦めないよ





約束したから





Aの事が好きだから






ずっと、一緒にいたいから








「(ありがとう、A。でもごめんね、またちょっとだけ勝手な事するね)」








心の中で謝って伸ばされた手を掴み









自分の唇をAの唇に重ねた。







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(プロフ) - 涙愛さん» ありがとうございます!!そのお言葉が執筆意欲に繋がります(;ω;) (2021年2月15日 20時) (レス) id: 52dd4b1169 (このIDを非表示/違反報告)
涙愛(プロフ) - 今回も最高でしたッッッ (2021年2月15日 18時) (レス) id: 4db45bcbc3 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 澪華さん» 澪華様にとって尊い展開になれたなら嬉しいです(;ω;)このシーン描いて貰えるかなぁ?なんてニヤニヤしながら書いてました(笑)澪華様の絵楽しみです(*´ω`*)土下座で待機してますね! (2021年2月14日 19時) (レス) id: 52dd4b1169 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 茜さん» コメントありがとうございます!!そして大変お待たせしましたm(_ _)mうちの子が鈍くて鈍くて……。嬉しいお言葉ありがとうございます(;ω;)最後までお付き合いして頂けたら嬉しいです!!! (2021年2月14日 19時) (レス) id: 52dd4b1169 (このIDを非表示/違反報告)
澪華(プロフ) - あああぁぁぁぁ……尊いですうぅぅぅぅぅ……!!!!!!!これは早く痣のシーンを描いて抱き合うシーンを描かないと……!!!!!!!頑張りますね……!!!!!!! (2021年2月14日 19時) (レス) id: 38000b254c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2021年1月17日 12時

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