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義母〈紫陽花はね、あの人がプロポーズの時に贈ってくれた花なの。その時にあの人、なんて言ったと思う?…………まだ開いてない蕾はいつか来る僕たちの子だって、紫陽花の花が1輪ずつ咲いて大きな花になるように、いつか子どもが産まれて、孫ができて、そんなひとつひとつの個性が集まった、1つの大きな家族を一緒に作っていこうって〉
そう言う新郎のお母様は今日見た中で1番の穏やかな顔だった。
義母〈…ありがとう、ゆいさん。あなたをお嫁に出すあなたのお父さんとお母さんのように、本当は私も自分の子どもが旅立つのが少し寂しかったの…。でもあなたの優しさのおかげで大丈夫そうね。あの人…こんな素敵なお嫁さんを直接見られないなんて残念だわ〉
新婦〈…お義母さん…うっ…グスッ…〉
義母〈これから、たくさん話をしましょう?私たちは家族なんだから〉
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〈では、行きましょうか?扉の前でお父様がお待ちですよ?〉
新婦〈…はい!〉
新婦の控え室からチャペルへと移動する
頬を薄いピンクに染めた新婦様は窓からの日差しを浴びてキラキラと輝いていてとても綺麗だ。
新婦〈Aさん!あれ!〉
廊下側のガラス窓からチャペルの中を見た新婦様はびっくりした顔で私とチャペルを交互に見る
〈ふふ、田中様が私を信じてくださったお陰です。…田中様?〉
私は新婦様の両手を握ると目を見て目一杯の笑顔を見せる
〈大丈夫です!絶対に素敵なお式になります!さぁ、何も心配せず、幸せだけ感じていてください〉
新婦〈…はい!〉
重厚な両開きの扉がガチャリと音を立てて開く
その音を合図に響き出すオルガンの音と讃美歌
幸せへと歩き出す新婦様の背中を見送る時が私の1番好きな瞬間
イ「なんとかなったな」
「…はい、ありがとうございました。助けてくれて」
イ「…よく、思い付いたな?ホテル中のフラワーベース集めてこいって言われた時にはどうなることかと思ったけど。笑」
「…テヒョンに言われたんです。人の幸せの手伝いをする奴が眉間に皺寄せて本当に幸せの手伝いなんかできるのかって、もういっそこの状況を楽しめって。……それを聞いて、私1人の力でどうにもできないなら、他の方達も巻き込んじゃえばいいんじゃないかって」
イ「…そっか…」
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Kira - すごくいいお話でした! (2022年8月13日 21時) (レス) @page26 id: d8561d62a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:湖都音 | 作成日時:2022年1月6日 15時