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テヒョンからはあの頃と同じ香水の香りがして
私の気持ちをあの頃に引き戻すには十分だった。
「…嫌いよ、テヒョンなんて」
わがままで自分勝手で
そばに居ても、離れていても私の気持ちを揺さぶる人
TH「うん、知ってる…」
「…でも…でも!もっと嫌いなのは…傷付くのを怖がって、自分の気持ちを隠すくせに…諦めないでほしいって思う私…」
自分の弱さを口にした途端、肩の力が抜けたのを感じる
あぁ、そっか、やっとわかった
本当に望むものは決して向こうからは来てくれない
拒否する私にテヒョンが何度もめげずに向き合ってくれたように
本当に私が望むものは、私から向かっていかなくちゃ
「私、今の仕事が好き。辞めたくない」
TH「うん…わかってる…ッ…だから!」
「だから!………どっちも頑張る…」
TH「…えっ?!」
「何度離れてもまた再会する人を日本語で縁がある人って言うんだって。…私、物心ついてからずっとテヒョンと一緒だった、それが当たり前でそのまま大人になっていくんだって思ってた。でも…色々あってすれ違って…また会えて…。これを"縁"って呼ぶなら…私、この縁をずっと繋いでいたい…」
TH「…ッ…俺、も……」
「フフ、やっと同じ気持ちになれたね」
「ねぇ、テヒョン…」
TH「…ん?」
「…好きだよ……テヒョンが忙しいなら私が会いに行く。辛い時は支えるし、嬉しい時は一緒に喜びたい。…きっと簡単なことじゃないけど…一緒に頑張ってくれる…?」
テヒョンは腰に回った私の手を解くとゆっくり振り返る
その目には薄らと涙が浮かんでいて
宝石みたいに綺麗で見惚れた
どうして、自分の気持ちに素直になった途端
前よりもっとテヒョンがキラキラして見えるんだろう
わがままで時々頼りがいがあって
憎たらしくて、でも誰よりも大切で大好きだった同級生の男の子は
相変わらずわがままで自由人だけど
誰よりも愛情が深くて、優しくて、魅力的な
あの頃よりもっと大切で大好きな男の人になった
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Kira - すごくいいお話でした! (2022年8月13日 21時) (レス) @page26 id: d8561d62a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:湖都音 | 作成日時:2022年1月6日 15時