あなたと夢を追いかけて〜第11章

本気モード？ +YCside ページ5

とりあえず今日も最後のお芝居の練習までこぎつけた。

練習の時はミンホさんとユチョンとを場面ごとにチェンジしながら進めていく。

ロンドンでのこの公演…かなり大がかりのセットでも話題になったらしい。

けどあまりにも大がかりな舞台装置の為、俳優陣の細やかな演技に目がいかなかったという酷評があるのも事実。

なので今回、デビットさんの演出は出演者の演技がクローズアップされるように仕上げたいという意向らしい。

練習の合間合間に指示をくれるデビットさん。

今日はのっけから私に対してのダメだしが多くて同じところを何度も繰り返しやるように言われる。

この演目のメインの場面…後ろからサムが優しくモリーを包み込むあの陶芸のシーン。

DV≪ユチョン、ミノとチェンジして…≫

DV≪ミノ、もう一回…Aを抱いてみて…≫

何度も繰り返されるデビットさんの指示にユチョンもミンホさんも真剣に取り組んでいる。

さすがプロ…

約1時間近く熱の入った演技指導…そして10分の休憩に入った。

A「なんか、今日ダメだしばかりで…凹んじゃった(ーー；)」

YC「さっきからAの演技ばっかりいじってたよね。でもあれはダメ出しじゃないと思うな。
Aの色んな表情を見たかったんじゃないかな？」

A「色んな表情？」

YC「うん…Aの可能性を見てる？」ユチョンの言葉の意味は今ひとつ理解不可能。

でもダメ出しじゃなかったって事で少しホッとした。




短い休憩時間はあっという間に終わり、またさっきの立ち位置に戻る。

ミンホさんとの続きから、

MN『ユチョンとの方がやりやすい？』

A「あっ、はい？ごめんなさい。私、今ひとつハングルわからなくて…」

するとミンホさんがお芝居さながらに私の首元に腕を回し

MN「ユチョンがいい？」って…日本語で。

とっさに言葉に詰まる。

A「あっ…いえ…はい」

MN『正直だなっ。』単語だけでももっと勉強しておけばよかった。

そう思ったのもつかの間、ミンホさんが

MN「僕は、Aがいいな。」

社交辞令だと思うけど、一瞬ドキッとした。

A「あっ、ありがとうございます。」うまく返す言葉が見つからなくて、なんとなくこの言葉…

その言葉にミンホさんがにっこり笑うと

MN『会うタイミングが悪かったね…』




横に居て聞こえてきたミノの呟き。これはマジでヤバい。

ミノの気持ちがこれ以上持っていかれないには…Aの相手は俺の方がいいんだけどなっ(ｰｰ;)

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