運命の恋、拾われました

6.Iside ページ7

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「がんちゃん？」

直人さんに呼ばれて周りの視線に気づく



やっべ


急いで窓の外にいるファンの皆さんに笑顔で手を振って誤魔化す



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俺は誰かを数分＿＿＿＿いや、数十秒さえ見つめ続ける事は許されない

その見つめる先の人に“何か”あってはいけないから



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俺の過去の“見つめる先の人”たちは、
そのストレスや時には直接的な攻撃に耐えられなくなってしまった人もいた。



だから俺は、見つめる先の人を作るのをやめた

作る時間も、場所もない忙しさが今は丁度良かったりもした


これが俺の選んだ道だから



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幸い、本を読んでいる彼女は俺の視線だけでなく、窓の外からの痛々しい視線にも気付くことなく
ただひたすらに本を読み進めていた。


まぁ、この程度なら大丈夫だろう
そう言い聞かせて直人さんに呼ばれた方に身体を向ける



岩「直人さん、ありがとうございます」

そう言うと、気をつけろよー王子様！なんて言いながらみんなの輪の中にさっと引きよせてくれた



もう、みんながみんな分かっている事だから

何に対してのありがとうだったのかなんて言わなくても分かる



みんな、それぞれにそういう経験があるから＿＿＿＿


誰かを見つめ続ける事なんてできない
＿＿＿＿＿＿＿そうやってみんながみんな、理解しているから




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なのに、

分かっているのに



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どうしても彼女の視界に入ってみたい

俺をその目に入れてほしい



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どちらかの、じゃなくて

お互いの


お互いに見つめ続け合いたい＿＿＿＿＿＿＿



なんて思ってる自分がいる事に、自分自身で驚いた




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人は、ダメだと思えば思うほど

余計に手に入れたくなる衝動に駆られてしまうもの



欲しいと思わなければいい

どうせ彼女とは二度と会う事はないのだから



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辛い思いをするのは懲りたはずだった




その俺の心の奥に小さな炎が付いた今日この日を





俺はいつか後悔する日がくるだろう＿＿＿＿＿＿＿

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