運命の恋、拾われました

37.Iside ページ39

.







暫く目を瞑ったまま彼女の温もりを感じていると


何となく、顔の近くに気配を感じて目を開ける





.





＿＿＿＿＿＿＿っっ！！！！！





そこには

さっき階段の所で見た時と同じくらいの距離に



Aの顔があったんだ






.





.





しまった！
彼女がキスをしてくれようとしているタイミングで目を開けてしっまった！！


そう思って、再度目を瞑る




.




.




あれ？






.






一向に振ってこない彼女の唇に痺れを切らして薄眼を開ける







.






.






＿＿＿＿＿＿＿寝てるじゃーーーーーん！！！





自分一人で盛り上がっていただけと知って
テンションが下がる



岩「＿＿＿＿___無防備な顔して寝やがって」




Aは何も悪くないのに、その愛らしい寝顔に悪態をつく




そして、その寝顔に向かって
自分の腹筋を使ってゆっくり顔を近づける






.





.





このAとの初めてのキスは

彼女にはまだ内緒にしておこう＿＿＿＿＿＿＿



＿＿＿＿＿＿＿＿二人が結ばれるまで、俺だけの秘密





.





.





.





.




そしてたっぷりの彼女の寝顔と、数秒の口づけを堪能した俺は
彼女を起こしたんだ





彼女が俺の事を芸能人としてしか見てくれていないのが言葉の端々から伝わってくる




.




でもAは、芸能人だからと近寄ってくる女たちとはまるで違うんだ


芸能人っていうくくりは気にしてはいるものの、だからと言って特別な接し方をしてくる訳でも、すり寄ってくる訳でもない



多分、彼女は芸能人としての俺しか見たことがないから




きっと、普段の俺を見てくれたら
彼女らしい“芸能人”扱いをやめてくれるに違いない




.





.




三代目としても、EXILEとしても、俳優としても順調だった俺が
唯一順調ではなかった久しぶりの恋に


この時は胸を躍らせていたんだ





俺はこの時、どんな女の子でも手に入れる自信があった









＿＿＿＿＿＿自信しかなかった

38.→←36.Iside

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す