運命の恋、拾われました

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しばらく、イワタさんの走っていく後ろ姿を
ただただボーっと眺めていた



電話を掛けながらこちらを振り返った姿は

まるでドラマの別れのワンシーンのようで



そう見えるような立ち振る舞いが自然に出来ているからこそ


__________彼は芸能人なのだろう





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私もそろそろ帰ろう




そう思って、マスターの方へ向かう


「ご馳走様でした。今日は沢山サービスしてもらっちゃって...ありがとうございます！

また来ますね」



そう言ってお金を出そうとすると


マスター「本日のお代は先程の彼がしてくださっているので

頂くわけにはいきませんよ。


是非またいらしてください





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彼と一緒に」





穏やかな笑顔でそう言われた





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「_________あ、はい


彼と会う機会があれば、是非」




マスター「きっとそう遠くない未来ですね」




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占い師に未来を予言されたような気分


マスターにもう一度お礼をして喫茶店を出る




__________そう遠くない未来、か





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私はこの時、そんな未来は来ないと思っていた




芸能人とただの一般人に

そんな簡単に結ばれる未来など

所詮、空想や妄想だけの世界



あったとしても、それはもっと限られた強運の持ち主であって


__________決して私のような人ではない





私はむしろハズレくじを引くタイプの人間だ


いつも選択を間違える



それがなんとなく分かる様になってからは
自分が選択しない方を選ぶようになった


__________それでもダメな時はダメだけど





結局、私は大事な時の選択を間違える
ということ









自分の意思とは無関係に高鳴る鼓動の答えは







気付いてしまわないうちに封印しなければ







気付いてしまったら

またハズレくじを引いてしまうから







__________もう手遅れなのかもしれないけど

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