運命の恋、拾われました

19. ページ20

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どこかで聞いたことのある、その台詞


「＿＿＿＿＿樹＿＿＿＿？」



本当に、妄想の世界に迷い込んでしまったのかと思うほど
イワタさんは私の中の“樹”そのままだった



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「今、イワタさんが樹に見えました。

本当に樹がいたら、きっとイワタさんのような人なんだろうなぁ」



私がこの小説を読んでいたから、そう言ったのだろう


私を喜ばせるために＿＿＿＿＿




だからきっと、深い意味なんてないんだ



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岩「役者として、最高の褒め言葉をありがとう。



＿＿＿＿＿でも、俺は本気でそう言ってるんんだけど？」



「え？イワタさんって役者さんもやられてるんですね！
すごーい！！」


大丈夫、こんな小説ぐらい出来た話なんて現実に起きる訳はないって分かってる



だから、イワタさんの言葉を真に受けちゃ

＿＿＿＿＿＿ダメだ




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岩「......俺の話、聞いてる？」


「めっちゃ聞いてますよ！ 役者さんもやられてるんですよね？

私、本当にＴＶを見ない人間で....」


すいません、と謝り下を向くと
未だに私の右手に重ねられている、男の人らしからぬ左手が見えた



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その手を
ギュッと包み込むように握られる


岩「俺の話を、ちゃんと聞いて欲しい。

Aちゃんがちゃんと理解してくれるまで
俺はずっと此処に来るよ」



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現実じゃないようで現実

夢のようで夢じゃない



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それが、左手から伝わるイワタさんの体温と

私を捉えたまま離してくれない
イワタさんの瞳から伝わってくる




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「＿＿＿＿＿＿＿どうしていいのか




どうやって返答していいのか



わからないんです」




情けない、私の言葉に


岩「まずは、俺の事を知ってもらいたい。



お友達から始めてくれませんか？」



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そう言ってイワタさんは首を傾げながら微笑んだ

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