運命の恋、拾われました.13

↓. ページ44

.






岩「＿＿＿＿＿You've been the love of my life.


Please marry me.」


向き合うようにされて、自分の胸に左手を当てて目を見つめられて

その表情は真剣で、とても男らしい



「＿＿＿＿イ、イエス、？」


岩「ちょっと〜！ムードぶち壊さないでよ〜！笑」


なんて答えるのが正解なのか分からなくて、疑問形になってしまった私からの答え

こんなかっこよく決めてくれた剛典に申し訳なさでいっぱいだ


岩「まぁいいか。Aらしくて。笑」


そう言って私にグンと近づき、腰に手を回される
『A....』って小さな低い声で呼ばれると、この先何をされるか分かっているのに、つい彼を見上げてしまう


きっと、私もそうされることを期待しているから＿＿＿＿＿




＿＿＿＿＿ﾁｭ



一瞬だけ触れただけなのに、周りの状況が分かっているだけにこんなにも恥ずかしい

恥ずかしすぎて、とてもじゃないけど周りなんて見れなくて、彼の胸板に顔を埋めた


自分でも随分大胆な事をしている、って分かってる。分かっているからこそ恥ずかしい。今まで自分が『バカップルがやるような事』と思っていた事を自分がやっていると思うと、恥ずかしくて顔が上げられない



周りからの声には聞こえないふりをして彼にしがみついていると、誰かにスカートを引っ張られた。さっきの男の子だ


男の子「これでお姉ちゃんも絶対幸せになれるよ！」

岩「君と神様に誓うよ。彼女を一生幸せにするって」



私を離して、男の子と目線を合わせるためにしゃがんで、そう言った剛典

男の子「お兄ちゃんは王子様みたいだね！」

そう言って可愛らしい笑顔を見せてくれた男の子に、彼は片膝をついて胸に手を当て最敬意を表した


男の子と、その隣にいたお母さんも同じ顔をして頬を赤く染めた




＿＿＿＿＿＿はっきり言って、かっこよすぎる

まさに、まさに。本物の王子様と見間違うほどだ




.





こんな大胆な事をしていても、海外ではさほど大きな騒ぎにならない(賞賛の野次はある)
きっと、こういうロマンチックな光景が日常に溶け込んでいるからだろう



私も日本で生まれ育っていなかったら『バカップルがやるような事』に抵抗がなかったかもしれない

それが自然な事で、自分も抵抗なく出来ていたのかもしれない



＿＿＿＿＿＿でも、日本に生まれていなかったら剛典とも出会っていなかったかもしれない






つくづく『運命』というスピリチュアルな事を感じずにいられなかった





.

2017.03.＊＊→←↓.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す