たくさん甘やかして【🍎🍥🐏】 (ページ10)

今日:50 hit、昨日:81 hit、合計:83,440 hit

ずるい　nqrse ページ10

.

自分の彼氏相手になんでこんなに緊張してるのか、と自分でも不思議に思うくらいだ。ドキドキしながら初めて使う合鍵を手に取り小さな声で『おじゃまします…』と家の中に入る。見た感じ電気もついていないし部屋の中も寒いので誰もいないのだろう。何故か安心している気持ちと寂しい気持ちが私の中で混ざりあった。

なるせ、なにしてるのかな…普段めったに家から出ないって聞いてたんだけどなあ。

私の彼氏…なるせは年上で世間一般的には年の差カップルといわれる年齢差だ。そういうこともあってなるせはいつも余裕そうで私はいつも不安な気持ち。だからといってなるせは私に冷たいわけでもなく私のことを思って合鍵を渡してくれたり定期的にちゃんと会ってくれたりする。

『誰かと会ってる、とか？』

自分で言葉にしておきながら涙が溢れた。電気もつけずにリビングまで歩いてソファに座ってうずくまった。私は子供だ。こんなに愛をもらっているはずなのに信じられなくて不安で、自分勝手だ。

.

「…は？」

家を出る前にはなかった靴が玄関にある。そしてそれはAがお気に入りだ〜とずっと履いている靴だった。…A来てんの？マジ？
年の差もあってからずっと遠慮がちなAに合鍵を渡したが全ッ然使ってくれないと悩んでいたがやっとか、と思わず広角が上がってしまった。…マジで俺チョロいわ。

恐る恐るリビングに入るとAは暗闇でソファの上でうずくまっていた。いやいやどうした？
パチっと電気をつけるとAは俺の存在に気づいていなかったのか驚いたように顔を上げた。俺の目と合った瞳は少し潤んでいた。

『なるせ…』
「なになにやっと合鍵使ってくれたってガチで喜びかみしめてたのになんで本人こんな悲しそうなん？？」

Aに近づくとAはまたうずくまろうとしたので手を掴んでそのままギューッと抱きしめた。するとAは何故か拒否してきたので驚いて離れる。

「は？は？マジでどうした？」
『…どこ行ってたの』
「…スーパーだけど」
『…なるせがスーパー行くわけ！』
「俺もスーパーくらい行くわ！！俺のことなんだと思ってんだよマジで」

Aがこんなに強気で来ることもあまりないので俺もいつもの男友達に対してのような口調で返してしまう。俺が言い返すとAは口を尖らせてムスッとすねてしまった。その姿がかわいくてニヤニヤしてしまうとAはそれに気づいたのかもっと拗ねてしまった。逆効果ですけどね？

.