あめ mychan ページ5
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朝、あいにくの雨。なんとしても前髪は守ると強い意志で学校に向かったがそんな意志は簡単に崩れ学校についた頃には巻きが完璧にとれ最悪の状態になっていた。
玄関で鏡を開いてはぁとため息をつく。靴を履き替えていると後ろから今最も会いたくない人の声が聞こえた。
「Aー!おはよー!」
『え''…めいちゃんッ!?』
「何その反応!今日たまたま早く起きれたんだけどAに会えるなんてラッキー!」
『そ、そうだね、ごめん私ちょっとトイレ!!』
「は!?A!?」
ありえない挙動不審な動きをしてしまったがしょうがない、好きな人に崩れた前髪なんて見せられない…!!
全力でめいちゃんのことを交わしトイレに向かう。鏡の前でふうと息をつきどうしたもんかと考える。
もういっそ留めようかな…そう思いピンで思い切って留めてトイレに出た。
「A」
『いや、え!?なんで!?』
「だっておかしいじゃん!あんなに逃げんの!なにどうしたの具合悪い?」
『それは大丈夫なんだけど、』
「アレッ!?前髪上げてる!かわいい!!」
突然のめいちゃんに驚いてるうちに前髪を指摘され目を見開く。こんなに早く気づいてくれるとは思わず喜んでしまった。するとめいちゃんは「えー!俺もとめてAとオソロにしようかなー」と私のことを見ながらニコニコとそう言った。
『ピンあるよ』
「えっ!?マジ!?かして!てか俺の前髪も留めて!」
『いいよかがんでくださーい』
そう言って私と同じように前髪をとめるとめいちゃんはとても喜んでくれた。「Aとおそろ!」と満面の笑みでそういう彼を見て雨の日も悪くないな、と感じた。
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作者名:みるる | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/Nagisa-Aonami/?w=1
作成日時:2021年11月28日 19時