LOVELAND,IS LAND

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盛山さんのお誘いのLINEを既読をつけずに放置して、盛山さんの言っていた「来週」が過ぎた。
盛山さんからの再度の連絡は来ていない。


盛山さんはきっと軽い気持ちで誘ったわけで

私も仕事があるしと言い訳をしていた。

でも、すごくすごく会いたい気持ちは消えてくれない。勿論好きな気持ちもしつこく持ち合わせている。


「Aさん休憩どうぞ〜」

美穂ちゃんに声を掛けられて我に返る。

こういう時はご飯を食べて、元気をだそう。
美味しいもの食べたらその時間はもやもや考えなくて済むし。少しでも別のことを考えたい。

「外食べに行くんですか？珍しいですね」

入り口の自動ドアから出る私を美穂ちゃんが見送っていた。


何食べようかな、いつもコンビニご飯だしこの時間の周りの店のこと知らない。
ランチ中のお店を横目で見ながら歩いていると

盛山さんおすすめのたこ焼き屋さんの通りに出てしまった。

営業中と札が出ていてランチもやっているらしい。
ランチとかあるんだ。たこ焼きの？

と、思っていたらガラッと木でできた引き戸が開いた。

出てきたのは…


「Aさん？うわ、Aさんっすよね」

「な、中谷さん」


飲みの席で覚えていてくれたらしい中谷さんだった。
後ろから何人か出てきて中谷さんに「あ、噂の彼女？」と声を掛けられていた。

「おらんおらん！彼女居ないのになんか盛り上がってんの」

なんて返していて、ファンじゃないながら彼女居ないのかと思ってしまった。美穂ちゃんに伝えたい。


「Aさんは盛山さんの彼女で」

そう、他の人に口にする中谷さん


「え、ちょっ、違います」

「え？違うんですか？やって盛山さん…」


そう中谷さんが何か言いそうになる手前
またガラッと引き戸が開いた。

暖簾で顔は隠れているけど、体の大きさで分かる。


「なんで俺がトイレ行ってんのにみんな出てんの？泣くぞオイ」


この間の抜けた声でわかる。


「あっ盛山さん！Aさん！」

「Aさん？もうフラれたんやからほっといてく…れ」


パッと暖簾を避けて、私と目がばっちり合った。



「え？Aさん」


名前を呼ばれた瞬間、靄がかかってたような背景がブワッとキラキラしはじめたのは幻覚じゃない。



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