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ああ、顔ボロボロ、心もズタズタ。
最悪だけど、意思がはっきり見えたのか、晴れて清々しい気持ちではあった。
「ナムジュナ!!!!」
NJ「ひっ!!」
「あ、ごめん」
ノックくらいしてください、と呆れ顔のナムジュンがこちらに振り向いた。
ナムジュンに用があった訳じゃないけれど、ユンギの居場所が分からなくて、ナムジュンの部屋に来たってわけ。
ユンギは部屋割りのとき、ペアのテヒョン以外に部屋ナンバーを教えていなかったから。
NJ「ユンギヒョンですか?そういえばどこ行ったんですかね?全然見かけませんけど」
「え、まじ」
NJ「メッセージ送ったらどうですか?」
「いや、大丈夫!」
ありがとうと言って部屋のドアを閉めようとすると、ナムジュンとペアのホソクが顔を覗かせた。
HS「ヒョンならさっき、テヒョンに無理やり卓球やらされてましたよー!」
「え、ほんとに!」
そう言うと2人は、卓球スペースの場所まで親切に教えてくれた。
ありがとクサズー!と言って2人に手を振り、廊下を小走りした。
そこにはホソクが言っていた通り、卓球をするテヒョンの姿があった。
けど…、
TH「あ、ヌナー!卓球しません?」
「ごめんテヒョン、今ユンギ探してて…、」
ヌナ、と呼んだテヒョンと目を合わせると、その瞳は揺れていた。
何かあったのかな。
TH「ヒョンならそこの庭にいますよ、ほら」
「…ユンギ、」
そこには浴衣姿のユンギがいて、その容姿、雰囲気が私を魅了する。
心臓が速くなるのを、嫌なくらい感じた。
けど嫌じゃない、不思議な感じ。
TH「ヌナ、ヒョンが待ってます」
「え?」
TH「Aヌナのこと待ってるんですよ。ずっとあそこで」
「は、なんで…、」
TH「ヒョンもやっと素直になったらしいんで」
「寒いのに、ばかじゃないのっ…、」
この季節、そろそろ冷え込みが激しくなってくる頃。
夜なんて、よく冷える。
あんな薄着で…、
TH「ヒョン、あいつ来なかったらここで死ぬわ、とか抜かしてましたけど」
「…ユンギらしい」
TH「ええ?ほんとに死んだりしませんよね?」
テヒョンがふざけた調子で聞いてくる。
私はそれに微笑み返して、こう言った。
「それ、ユンギの口癖だから」
お前いないと俺死ぬ。
その重ったらしいユンギの口癖は今の私にとって、
とんでもなく甘い少女漫画のセリフに思えた。
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さくらんぼ - ユンギヤアアアアアアアアーー!! まじで 可愛い キヨ (2019年6月17日 23時) (レス) id: c306612a0b (このIDを非表示/違反報告)
k(プロフ) - 空気読めなくて図々しい彼女ちゃんにもはや爆笑 (2018年12月5日 11時) (レス) id: 783d9deaa6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆんぎらぶ - もうシムクン(胸きゅん)だらけでやばい…。ユンギ好きこのお話みたいに愛されたい← (2018年11月27日 18時) (レス) id: 8bf3196fdf (このIDを非表示/違反報告)
moai(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!!更新楽しみにしてます! (2018年11月25日 18時) (レス) id: d5d0b8a583 (このIDを非表示/違反報告)
兎に恋した兎 - このユンギさん推せます。 (2018年11月11日 20時) (レス) id: 5d350162f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:恋 | 作成日時:2018年10月11日 19時