【男主】イタミシラズ【東京喰種】

10.剣呑 ページ10

MMの問いに対し、サエギリが暫く経ってから口を開く。
弁明でもあるのだろうか。

サエギリ)…喰種を飼って何が悪いんです？

MM)！

サエギリ)弱い奴を…弱い喰種をっ！！
自分のモノにして何が悪いんです！？
Aは俺のだ！所有権は俺にある…
お前に口出しする権利なんて無い！

サエギリがホールの隅で相手への敬意を表す敬語を使う事も忘れ叫ぶ。

ショーに訪れていた客達は食事に夢中で自分達が陰に居る事すら気付いていない。

A)……。

Aが周りを見渡すと、さっきまで居た青年喰種は居なくなっていて、タロちゃんは僅かな肉片となって解体場に残っているだけだった。

A)……(タロちゃん…。)

俺が、弱いから？

タロちゃんが死んだのも、俺のせいなのかな…？

タロちゃんのそもそもの死に繋がった要因は勿論目の前にいるMMだ。

けど、あの時青年喰種より先にタロちゃんを、避難させてあげられてたなら。
俺にその力があったのなら。

タロちゃんが生き延びる可能性はあったかも。

そうしてたら、その代わり自分が今頃客たちに喰べられているかもだけど。


_____…
MM)…SG氏の言いたい事は理解しました。

サエギリ)だったらもうお帰りになっては？

MM)しかしっ！
そこまでSG氏が執着する貴方に僕は興味が湧いてきました…。

SG氏！その"所有権"とやら…僕に譲って頂けないでしょうか？

サエギリ)は？

A)ぇ？

MM)舌がさぞ肥えているでしょうSG氏が執着する喰種です、よほど美味なんでしょう？


…………この喰種は一体何が言いたいんろうとAは真剣に思った。

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