【男主】イタミシラズ【東京喰種】

6.MM ページ6

前のショーから数日後、サエギリに連れられてAはレストランに来ていた。

普段はマスクをつけ大勢の観客の前でヒトを殺す喰種。

だが今日は初めて解体屋としてでは無く、観客の喰種として来ていた。

だから皆の様にスーツを…という訳にはいかないらしく。
いつもの白いワンピースを着せられ、Aはサエギリに手を掴まれたままショーの始まりを待っていた。

"__それでは皆様、お待たせ致しました。本日のディナーは、こちらの３人です！"

1人は標準より締まった体つきの男、2人目は太った女、3人目…は若く、程よい体つきの青年。

1人目、2人目、とその人達の仲介役が紹介されていき、ショーではよくある仲介役である喰種と、これから解体される人間のやり取りが繰り広げられる。

2人目)結婚の約束は！？ 今夜のディナーだってアタシてっきり…！

2人目仲介役)あー悪いけど俺、豚と恋愛する気ないんで。

2人目)騙したわね！！大体アンタの事は最初っから…！！


…ケッコン？

A)おとうさん、ケッコンって、何ですか。

サエギリ)…お前は知らなくて良い事だよ。
さ、もうすぐ3人目の紹介だ、ご覧。

……
司会)"そして本日のメインディッシュはなんと、“喰種”です！"

客)「喰種だと…？」「私、共喰いはちょっと…」

司会)"仲介はMM様です！"

客)「おぉ、MM氏…！」

A)…？
…
MM…この名前確か…前のショーでも…

____…

「流石だったスクラッパー！」
「良かったぞー！！」
「やっぱりこの子が解体するショーは良いわぁ！それに今回はMMさんが調達してきた人間でしょう？」
「それは最高じゃないか！」


____…思い出した。 彼は前回もヒトをココへと送り込んでいた。

今回彼に連れて来られた青年もまさか自分が喰べられる側だとは夢にも思わなかったらしい。 目を見開き、驚きの表情でMMを見ていた。

運が悪かったね。心の中で青年にそう言った。

それは自分も同じく騙され、今に至っているからかも知れない。


_____…

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