【男主】イタミシラズ【東京喰種】

16.正装 ページ16

Aは気がつくと広く真っ白なベッドに横たわっていた。


A)…あれ…。

(そういえば俺、なんでココに…あれ、昨日…何してたんだっけ…習…ぁあそうだ習さんに所有権を…で、家、についた後シャワーを浴びさせて貰って…それで…寝たのかな…)

Aが昨晩の記憶を掘り起こしていた時。



コンコン


A)！ は、はい…？

ｶﾁｬ…

突然のノック。
それに対しAが返事をすると、ドアが開いた。


？)おはようございます、体調はいかがでしょうか？


入ってきたのは暗めの紫色の髪をした青年、歳はAとそんな変わらない様に見えた。


A)えっと…はい…。 あの、習さんは…


Aが月山を習さんと呼んだ事に対し青年がピクリと反応する。


？)習、'サン'？


A)へ…あの何か駄目だった、の…でしょうか…。 あと、貴方は…？


こういう時どういう言葉使いをしていいか分からずAがたどたどしく尋ねると、更に青年は表情を歪めた。


？)…カナエ・フォン・ロゼヴァルト。
習様には叶と呼ばれている。
月山家の使用人だ。 習様から貴様が起きたら教えろと命を受けたからココに来た。


Aの最初の問いには答えず、自己紹介だけ済ます青年。
自分も名乗った方が良いのだろうか。


A)ぁ…俺、A

叶)名乗る必要などない、今習様に貴様が起きた事を報告してくるからそこに居ろ。


最初の丁寧で上品な言葉使いとは打って変わって命令口調となった叶は部屋を出ていった。


A)…あの人…苦手、かも…。


それから僅か数十秒後のこと。


ﾊﾞﾝｯ

月山)やぁgood morningA！ 昨晩はよく眠れたかい？


(朝からなんて元気…)
A)は、はい、お陰さまで…。


月山)それは良かった。 さぁ、早速だがこれに着替えたまえ！ 叶！


月山が叶を呼ぶと、叶はすぐに何かを差し出す。
それはサエギリなどレストランにいる客達が着ている様な服。

見るからに上等そうな布で出来ていて、黒地に黒っぽい赤のストライプが縦に入っている、何とも独特な模様だった。


A)…これは…なんでしょうか。


月山)What? スーツだよ、着た事くらいあるだろう？


A)いや、無いです…ワンピースくらいしか…これはどうやって着れば…？


月山)ふぅ…全くMr.SGは…。
折角上等な服が似合いそうだというのに…。
まぁ良いさ、叶、もう一つの服を！


叶)はい。

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