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悲しみの果てに ページ4
放課後
迎えの車が正門に停まっていた。
やっぱり乗れないよ。顔すら合わせられない。
道路を挟んで反対側には教室で頬杖をつきながら
外を眺めていた彼がいた。
さっきのこと謝りたくて近寄る。
「あの...さっきはごめんなさい。」
《いいよ。僕の方こそ自分勝手に怒って。》
「うん...うん。私が悪いの。」
《今日、命日なんだ。》
「えっ！」
《結婚前提に付き合ってた恋人が病で2年前に
亡くなったんだ。空見上げると彼女が微笑んでくれ
僕をみているようでさ。》
「...」
これ以上かける言葉が見つからなくて
自分は本当に無神経だと改めて思う。
《もう良いってば。それより早く戻った方がいいん
じゃない？あの執事ってカズの執事さんだよね。》
「うん。」
《まだ自己紹介してなかったね。
僕は相葉雅紀。よろしく。》
「私は来栖A。よろしく。」
また明日と言って私は車に向かって歩いた。
〈お嬢様、相葉様とはお話はお済みになりましたで
しょうか？〉
「うん。あのさ帰りは車に乗ってもいいかな？」
〈もちろんです。〉
奥には二宮くんがいる。
お互い顔をそっぽ向けて目も合わせやしない。
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作者名：ゆるく | 作成日時：2019年5月13日 1時
