キミと月明かり (ページ13)

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雨の中、さよならページ13

〔君はまだこんなところにいるのかい。

空が暗くなってきた。〕

もう何も喋りたくない...

〔一つ聞きたいことがある。〕

〔君は昔、この学園にいたよね？俺の勘違かな？〕

振り向き彼を見る。

「私は...」

ポツポツと雨が降り出した。

〔じゃ、俺は！〕

大野智。
確かなんかの関係で違う学校に行ったんだけ。

__

〈坊ちゃん。お帰りなさいませ。〉

『雨が酷いぜ、あいつは？』

〈いえ。まだです。〉

『ちょっと行ってくるわ。』

〈坊ちゃん、私が...〉

また戻っていく。

激しく降る雨。
次第に聞こえてくる雷の音。

『どこにいんだよ。こんな雨の中...』

そして...

『おい！お前な...』

ベンチに座って片時も動かない。

『また風邪引くだろ！』

回り込めば泣いている。

『...早く戻ろうぜ。』

「二宮くん...私もう分からない。しんどいの

ここにいると。辛いのここにいると！」

『あいつらに虐められてるから？』

「それもあるけど...私は二宮くんちの居候で

嵐学園に通わせてくれてありがたいけど荷が重い

よ。」

『そう...じゃ。前にいたところに帰れば。

前もこんなことあったけ。』

前もあった。

『それはお前の自由だから俺は止めないよ。』

そして荷物をまとめて邸を出て行った。