イカリソウ (ページ22)

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私は一人でカフェテリアにいた。
少し遅めの昼御飯。
ゼミが少し長引いてしまったのだ。

A「今日はグラタンにしたけど、冷たいし電子レンジにかけてこよーっと。」

私は電子レンジにかけるために、立ち上がった。すると、以前私を脅してきた男がいた。
私は瞬間的に怖くなり、一度戻った。

しかし、気になったことがあった。
『左右の人差し指がない』ことに。
本人は普通にしているが。

私は何となく嫌な予感があった。
私が脅されていたことを知ってるのは、仲の良い友達とよしくんだけ。

A「まさか…違うよね…？」

私は今、恐ろしいことを考えてしまった気がした。そんなことあるはずがない。

…『あるはずがない』…？

なぜ、そんなことが言い切れる。
どこにも証拠がないのだ。
「やってる」「やってない」を示すための証拠が。

もう、私の頭のなかはぐるぐるとしている。
すると、男は私に気づいた。

男「……っ！？」

なぜか、私を見て逃げていった。

この後、会うつもりだったけど、体調が悪いといって会うのを止めようと思い、連絡をした。

Aよしくん、ごめん。体調悪いから今日はもう帰る。
イノッチ分かった。大丈夫か?
Aうん。平気だよ。
イノッチあとで、家によるな!
Aあ、大丈夫だよ?よしくん、レポート今日まででしょ?しかも、あと1時間。
イノッチあー!忘れてた。
Aだから、無理しないで?私なら大丈夫だから。
イノッチ分かったよ。何かあったら連絡しなよ!すぐに駆けつけるから!
Aうん、ありがとう♪

バレてないみたいだった。
とりあえず、かえって寝ることにした。
本当に考えるだけで具合が悪くなってきたから。