Fragrant olive ＆ Lavender

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【Aside】

新緑の季節。
数ヶ月前、この街に戻ってきた私は新しく
できたカフェでアルバイトを始めていた。

といっても、元々は本店でアルバイトを
させてもらっていたんだけど今年の3月に
支店を出すことが決まったらしくて。

しかもこの生まれ育った街に。
だから店長にお願いしてこの街にできた新しい
カフェの方でアルバイトをさせてもらうことに
なったんだ。

もしかしたら…わたにぃ、としにぃに
会えるかもしれないという淡い期待を
していたから。

でも…一度も2人の姿を見たことがないから…
もうこの街にはいないのかなって。



だからね諦めようと思ったんだ。




でもね、先輩に聞いちゃったんだ。

私はこのお店に…昔3人で撮った写真を置かせて
もらってるんだけど、偶然その写真を見た
お客さんがその先輩にこう聞いてきたんだって。


『すみません、この写真は…？』


先輩が
『最近入ってきた後輩が置いて欲しいって
言ってきたのでここに置いてるんです。』
って説明したらしいんだ。


そしたらそのお客さんは
『そうですか…。』って言ったっきり何も
言葉を発さずにその写真を見つめてたって。


先輩にどんな人だったか聞いてみたら
『とても優しそうな人だった』って返された。

もしかしてと思って
写真に映るまだ幼い『としにぃ』を指差して

『こんな感じの人ですか…？』

って聞いてみたの。
そしたら、先輩は驚いたような顔をして
『そうだよ！この人！面影がある！』って。


としにぃがもしこの街にまだいるのなら
必然的にわたにぃもいる予感がしたんだ。

あの2人、仲良いから笑


近いうちに必ず会えるような気がするんだ。

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