Insane Love of Seven Person (ページ16)

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回想3 ページ16

【H.K side】

毎日、紗奈と一緒に帰るのが日課。
その為に今、校門外で待ってんだけど…。
変な噂を聞いたんだよな。

『紗奈がいじめを受けている』

これはクラスの奴から聞いた話で紗奈にはその事実確認を
していない。

もちろんその場にいたわけじゃないから本当にいじめを
受けているのか分からない。

だから俺は今日の帰り道、紗奈に聞いてみようと思ってる。

もしも、この噂が本当なんだったら俺は紗奈を守るだけだし
いじめの主犯を見つけて謝罪させないと気が済まない。

紗『みっくんー！待たせちゃってごめん！』

小走りで俺の元へと駆け寄る紗奈。
いつもと何かが違う気がしたけど…それが何なのか
俺には分からなかった。

宏『気にすんなって。うっし、帰るぞ！』

紗奈の手を握ると、明らかにさっきまで教室に
いなかったんじゃないかと思うくらいの手の冷たさ。

宏『紗奈？お前なんでこんなに手が冷てぇの？』

そう尋ねれば、紗奈は『え？あ、掃除だよ？』と答える。
だけど何となくその挙動が不自然に思えた。

紗奈が何かを隠す時は必ず『え？あ…』と言っていることに
薄々気づいてた俺は思い切ってあの噂について
聞いてみた。

宏『なぁ、お前…いじめられてんの？』

紗奈は俺の目を見ては驚いたように見開いている。

……図星だよなこの反応。

宏『…本当なんだ。』

思ったよりも低い声で返してしまった。

紗『い、いじめなんてないよ？』

目を逸らして否定をしてくる。
そんなに俺には言えないこと…？
俺じゃ頼りない？

宏『紗奈っ、俺の目をみてもう1回同じこと言ってみ？』

そう言ってみれば、紗奈は顔を上げる。
だけど言える状態じゃなかった。
紗奈の目には涙がたまっていた。