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乱太郎くんは二人から愛されているんだろうな。一人が嬉しそうにする話をするだけで、二人が嬉しそうなんだもの。

『そっかぁ。そんなに喜んでくれるなら、本当の姉になりたかったな』

「なんの話ー?」

 厠から戻ってきた乱太郎くんは話をぶった切って登場。君の話をしていたと言ったら、嬉しいかな。

「乱太郎の話だよ」

「私!?ちょっとー!お姉ちゃんに恥ずかしい事とかバラさないでよ!?」

「どうかなー」

「もー!」

 二人で乱太郎くんをイジると、彼は顔を赤くして憤る。
 些細なことで、本気の喧嘩でもない、友達同士で行える茶化し合い。見てるこちらは微笑ましい。

「お姉ちゃん聞いてよ!昨日私が入ってる保健委員会で薬草摘みに行ったら、猪が沢山出てきて追いかけられて...」

『猪!?怖いね...』

 そうだ。この時代にはコンクリートジャングルというものは存在しない。野生の猪がそこら辺を闊歩してたっておかしくない。
 もしかして...意外と身近にも危険があるのかも...

「しょうがないっすよお姉さん。乱太郎は不運委員会と呼ばれる保健委員会に入ってるんですから。
普通は猪なんてそんなに会わないです」

 不運委員会?
 ちょっときり丸!と怒鳴る乱太郎くんの横で、べっと舌を出すきり丸くん。一体どういうことなんだろう?

「乱太郎は委員会活動中、何もないところで転んだり、いきなり雨に降られたり、蜂の巣が落ちてきたりするんです」

『あぁ、なるほど...』

 運がなくて悪いことばかり起きてしまうってことなのね。それは災難...

『じゃあ、私の幸せを分けてあげよう』

 布巾で濡れた手を拭いて、戸棚の戸を開ける。
 そこから1枚の布を取り出した。

 そして乱太郎くんの前で、4つ折りにしていたそれをバッと広げてみせた。

「え!これって、四葉のシロツメクサの葉?」

『そうだよ。綺麗でしょ』

 見せたのは四葉のクローバーの柄の布。私のここ最近での自信作だ。
 本当はシロツメクサも織りたかったが、なにせ素人なもので、技術が足りず断念した。

「わぁ!凄い!こんなに綺麗に織れるなんて、南蛮で売ったら人気になるよ!」

「これを大量生産したら、大金持ちぃ!?あひゃあひゃ!!」

 目を銭にして踊りだすきり丸くんと、唐突な南蛮で売れるという発言をするしんべヱくん。

 まだ隠れた情報があったとは...と若干奇行に引く。

 二人のことはこれから、銭ゲバとボンボンという認識で行こうと思う。

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くまのん - 神作品を発見‼とっても面白かったです‼ (5月3日 16時) (レス) id: 333fed96b4 (このIDを非表示/違反報告)
ますしん(プロフ) - わくわくどきどき…続きが気になりすぎてどうしよう!!現世での伊作もどきとの関係も気になる! (4月25日 20時) (レス) @page24 id: 3a092db897 (このIDを非表示/違反報告)
ほうじ茶 - うわあ!待ってました!!ついに接触!?面白すぎます!! (4月15日 13時) (レス) id: 47dba8b665 (このIDを非表示/違反報告)
おんぷ - とても続きが気になって内容忘れないよう何度も読むくらい好きな作品です。 (3月31日 1時) (レス) id: 4cbcaaccff (このIDを非表示/違反報告)
おんぷ - 私だけでこちらの不具合だったらごめんなさい。更新や日付けは新しくなるのに20から先が表示されないのは 作者様がまだ非公開にされてるからでしょうか?質問失礼しました (3月31日 1時) (レス) id: 4cbcaaccff (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シュモ | 作成日時:2024年2月29日 17時

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